「あ、なんかいいな」と思うコトやモノがある。なにがどう「いい」のか、うまく表現できないのだが、とにかく「なんかいいな」と思う瞬間があるのだ。最近わたしが体験した「なんかいいな」は、ダイソーで見かけた冷水筒だった。
ソレは水とか麦茶とかを入れておく家庭用の水筒なのだが、もう目に入った瞬間に「あ、なんかいいな」とつぶやいていた。この水筒に関しては、そういう人、多い気がする。そして買う人も多い気がする。
買って持ち帰って家で見たら、「なんかいいな」が「やっぱりいいな」に変わっている。自分の直感は間違いなかった。これはもう、長年にわたり我が軍(冷蔵庫)の4番(長尺の飲み物を入れておくところ)を張ってきた『IKEAの栓付きカラフェ』も引退だな……と強く感じた。
何がいいって、まず……
表面のザラザラ処理だろう。もしもこれが透明だったら「なんかいいな」には ならなかった。少し濁った処理だからこそ、涼しげでもあるし、レトロでもあるし、「なんかいいな」につながるのだ。「なんかいいな」の正体、そのひとつは「懐かしさ」なのかもしれない。
とにもかくにも、使ってみなければ良い悪いは語れない。記念すべきデビュー戦にそなえ、しっかりとスポンジで洗ってから……
麦茶パックをホールインワン……! 笑福亭鶴瓶がイメージキャラクターをつとめる麦茶パックはややデカだが、それも余裕で入る口の広さ。いいぞ、いいぞ……。
結局わたしは、青を「麦茶」で、水色を「水」という使い分けをしてみた。「水色+水」は言うまでもないが、なんとなく「麦茶の茶色」と「青のフタ」の組み合わせが、絶妙に “合う” と予想したのだ。
そしてウグイス嬢がコールした。
「4番、ダイソーの冷水筒」
ついに。ついに我が軍の4番が一新した。冷蔵庫内の世代交代。まさか100円の商品が “番を張る” とは監督の私でさえも予想外だったが、早くも “やってくれそうな貫禄” を彼ら冷水筒はまとっている。これは期待できる。
あとは “仕上がり” 次第……。
そして……
一晩冷やした結果……
キタぞコレ……!!
完璧でしょコレ……。
青と麦茶のマッチ感も予想通りの完璧さ。まさに「夏」。それも、そこはかとなく「懐かしい夏」がそこにはあった。今の季節は梅雨だけど、この冷蔵庫の中は完全なる夏気分。一足お先に夏を楽しんでしまっている私がいた。
さらに、やはりというべきか「表面のザラザラ処理」のおかげで実際の温度以上に冷えて見える。あまりにも冷たくて “汗をかいている” ように見えるのだ。
その時、喉の奥がゴクリと鳴った。
はたして、実際の温度は……
ちっ、ちめたい……!
よかった。「材質がポリプロピレンだからガラスよりは冷たくならなさそう」という勝手な思い込みは杞憂に終わった。ちゃんと冷たいし、思わず笑みの出る美味しさだった。
結果としては、予想していた「なんかいいな」以上の「なんかいいな」、それすなわち「すごくいいな」な冷水筒だった。とりわけ “懐かしい夏” を感じたい人にオススメしたい商品である。
猛暑の日に、ベランダとか、外で使ったら最高だろうなぁ……とワクワクしている自分がいる。蚊取り線香のニオイも合わさったら、なおさら麦茶が美味くなりそう。なんて最高な商品だ。ひさびさに「100円で感じる幸せ」を味わった。突然思う「あ、なんかいいな」には率先して乗るべきだ。たいていその直感は、あっている。
Report:100均評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24
▼この笑顔