世の中には納得のいかないことがたくさんある。私(中澤)にとってその1つは菓子パンのメロンパンだ。アレどこがメロンパンやねん。到底飲み込めるネーミングではない。事実、メロンパンってのどに詰まるしな。
そこでガチのメロンパンを作って、菓子パンのメロンパンと食べ比べてみることにした。ひょっとしたら、新たな発見があり「なるほど」と思うかもしれないから。
・ガチメロンパン
ガチのメロンパン……それすなわちメロンとパンだ。というわけで、ホットドッグロールにメロンを挟んで完成。
それにしても実際やってみるとガチメロンパンはかなり不器用な外見をしている。まるで打ちっぱなしの鉄骨。メロンパンと呼ぶよりは、高倉健と呼んだ方がまだしっくりくる見た目である。
とは言え、これ以上に説得力のあるメロンパンがこの世にあるだろうか。菓子パンのメロンパン以上にメロンパンであることは疑うべくもないだろう。ひょっとしたら本物とはいつだってこういうものなのかもしれない。
さっそく食べてみたところ……
めっちゃウマイ。
メロンの自然な甘みがパンに染み込んで、十分すぎるほどにスイーツ化している。さらに、ジューシーなので、後味がスッキリしているのにも驚いた。パンなのに!
・食べ比べ
メロン凄いな……生クリームとかなくても余裕じゃないか。正直、菓子パンのメロンパンに勝ち目はない。だが、ひょっとしたら食べ比べることで何か共通点が見つかるかもしれない。というわけで……
ガチメロンパンをおかずに……
メロンパンを食べる。
あかん。メロンパンがめちゃくちゃクドく感じる。甘ったるい味とパサパサの食感。甘さの質からのど越しまで全てが逆だ。食べ比べればハッキリと分かる。味を寄せようとすらしていないことが。
「これしかできない」と言わんばかりのビスケットのような甘ったるさ。だが、なぜだろう? そのクドさこそがメロンパンの真髄である気がするのは。メロンの味はしなくとも、納得できなくとも、私は今猛烈にメロンパンを感じている。
・気づいた真実
ひょっとしたら、菓子パンのメロンパンもまた苦しんでいたのかもしれない。自身の味に。名前の重圧に! だが、ただただ黙ることしかできなかった。その不器用さたるや、ガチメロンパン以上に高倉健ではないか。
本物とか偽物とかどっちでも良かった。なぜなら、ガチメロンパンもメロンパンも等しく高倉健を持っているのだから。ならば私も飲み込もう。のどに詰まるお前の悲しみと共に。メロンの味はしなくとも、メロンパンはもはやコレ。不器用な甘ったるさが今日も身に染みる。
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.