2020年5月1日、驚安の殿堂「ドン・キホーテ」が “驚安” と呼ぶにふさわしい製品を発売した。7インチサイズのモバイルパソコン『NANOTE(ナノート)』である。販売価格は1万9800円(税別)。いくらドンキとは言え、安すぎる! と話題になり、すでに品切れになった店舗もあるそうだ。パソコンに詳しい猛者たちは本体を分解したり、OSを入れ替えるなどしているという。
当初、これでライブ配信をしようとしていた私は、それが無謀なことであるとすぐに悟った。しかしながら、買ったからには1分でも10秒でも、極端な話1秒でもライブ配信してみたい!
そこでいろいろ手を尽くして、何とか短時間でもライブ配信することに成功したぞ! やればできる。やれば……。
・ナニが起こるのか……
前回の記事のおさらいだが、購入直後にYouTubeのライブ配信で検証してみたところ、サムネイルの写真撮影で固まってしまって、そこから先に進まなくなった。危うく、ただのスマホスタンドに成り下がりかけた。
その後いろいろと策を講じて、配信の糸口を見つけ出した。私がもっとも警戒したのは本体が加熱することだ。この製品には冷却用のファンがなく、熱がこもりやすいと思われる。つまり、CPUに大きな負担をかけなければ、なんとか配信できるのではないか。
このパソコンが壊れても仕方がないという覚悟で挑んでいるので、その点をふまえて読み進めていただきたい。ぶっちゃけ、私自身ナニが起こるのか想像がつかないのだから……。
・ブラウザを更新
まず最初に実践したのはWindows10のアップデートだ。アップデートの負荷で他の作業は一切できないので、約2時間放置して完了させた。
次にブラウザを「ChromiumベースのMicrosoft Edge」に手動で更新。この新しいEdgeは、GoogleのブラウザであるChromeと共通のエンジンが使われている。日本では諸事情で、まだ全員への自動アップデートは始まっていないようだ。
新しいEdgeを選んだのには理由がある。それはChromeの拡張機能「h264ify」を使うためだ。低スペックマシンでYouTube視聴時にシステムにかかる負荷を軽減し、再生時のコマ落ちを減らす効果があるらしい。拡張機能を使うだけならChromeで良いのだが、新しいEdgeを試してみたかった。
実際にYouTubeで動画を視聴してみたところ、EdgeがCPUにかける負荷は劇的に改善。前回と同じ動画を再生してみたところ、50パーセントを超えていたCPUの占有率が15パーセントに抑えられていた。
読み込みもスムーズで、コマ落ちも気にならず、動画の視聴程度なら十分に満足できる状態にあると思う。
・いざ、配信!
さ~て、ここからが本題。実際に配信に挑んでみよう。まずはブラウザでYouTubeのチャンネルダッシュボードに入る。
続いて画面右上の「作成」ボタンから、「ライブ配信を開始」を選択。
次に画面左カラムの「エンコーダ配信」の下にある、「ウェブカメラ」を選択する。配信ソフトを使う余力は、このパソコンにはない……。
ここでマイクとカメラの使用を「許可」する。
さらに配信の詳細を入力して、次へと進む。前回はこのあとのサムネイル撮影で断念することになったのだが、今回は果たして?
お! サムネイルの撮影に成功!! やった、前に進んだ。3・2・1のカウントダウンがスムーズに進んだことに驚いて、「お!」という顔で撮影してしまった。
次いで、「ライブ配信を開始」でようやくスタート!
ブッチさん(ビッグウェーブさん)に配信状況を確認してもらったところ、問題なく見ることができたとのこと。こちらでは、画面上でチャットを確認することもできた。都合8分40秒の配信は大成功!
それにしても、30万画素のカメラは映像が粗い……。画角も狭いので、スマホ用のクリップレンズを使用したら意外と良かった。
この後、画質を良くしようとUSB接続の外部カメラでチャレンジしたところ、外部カメラを使うだけの力もなかった。なんて非力なんだ、NANOTEよ……。
CPUの負荷が軽減したとはいえ、冷却用のファンもなく、この非力さを思うと、長時間の配信には不安しかない。今やスマホでも配信できることを考えたら、ムリにこのパソコンを使わなくても良いような気さえしてきた。いろいろ試して遊び倒すというくらいの気持ちで、ちょうど良いのかもしれない。
参考リンク:ドン・キホーテ
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24