なんだかんだ言いながら、やっぱり日本食が落ち着く。出汁を飲むとホッと一息つける、あの感じは何ものにも代えがたいよなあ。日本に生まれて良かったと感じる瞬間だ。しかし家で作るとなると、出汁ひとつ取ろうにも、なかなかに手間である。
このたび、そんな怠惰な記者にハッパをかけてくれる動画を発見。あの老舗料亭『なだ万』がYouTubeチャンネルを開設し、レシピを公開しているのだ。しかも料理長みずからが出演しているのである。これは試さなきゃ失礼ってもんでしょ。ってことで、さっそく「桜海老の釜炊き飯」を作っていくぜ!
・優雅なYouTube
言わずと知れた日本料理店『なだ万』は、2020年4月に公式YouTubeチャンネルを開設したばかりだ。同店のモットーが “老舗はいつも新しい” であるとはいえ、時代を感じるな。調理長が教える家庭でできるレシピのほか、なだ万本店・山茶花荘(さざんかそう)でのおもてなしの紹介や調理技術の裏側など、3つのコンテンツ動画を順次配信していく予定とのこと。
老舗料亭の様子を知る機会は、そうそうあるものではない。とても興味深いではないか。さっそく「桜海老の釜炊き飯」のレシピ動画を見てみたのだが……冒頭から優雅な音楽が流れ始めた次第。目立つ演出はなく、粛々と料理を作り上げていく様子はさすがである。作り方の詳細は以下をご覧いただきたい。
【材料】
・生桜海老:100g
・筍(タケノコ):1本
・菜の花:10本
・洗い米:450g
・塩:適量
(A)合わせ地
・2番だし:600㏄
・薄口醤油:36㏄
・日本酒:36㏄
・みりん:30㏄
(B)八方地(一回沸かす)
・鰹だし:150㏄
・薄口醤油:15㏄
・日本酒:10㏄
・みりん:15㏄
・塩:適量
【作り方】
1. 桜海老を洗い、水気を払い、素揚げする。
2. 筍を米糠いりの水でボイル後、掃除して皮をむく。
3. 穂先を薄切りにし、根元を賽の目に切り分け、(A)の合わせ地160㏄分で含ませ煮しておく。
4. 菜の花は適当に切り分け、色よくボイルした後冷ました(B)の地に浸しておく。記者は菜の花を春菊で代用。
5. 土鍋に洗い米を入れる。浸水なしでOK!
6. (A)の地540㏄を土鍋に入れる。土鍋がなければそのほかの鍋で。
7. (A)の地を切った筍を入れて火にかける。最初は強火で、沸騰したら弱火で15分。
8. 一度火を止め、素揚げした桜海老を釜に入れ10分間蒸らす。
9. 菜の花を色よく散らして完成。
・ポイントは出汁
ひとつだけ頭を悩ませたことがある。それは、食材集めだ。生桜海老を探し求め、スーパーを何軒回ったことか……。タイミングにもよるのだろうが、結局生桜海老を見つけることができず、ボイルしてあるもので手を打った。また同様に菜の花も見つからず、春菊で代用だ。
しかし大変だったのはそれくらいで、料理を作る手順としてはYouTubeに従えばなんら問題はない。やはりポイントとなって来るのは出汁で、この出汁にすべてがかかっていると言っても過言ではないだろう。顆粒和風だしを使ってももちろん良いが、時間があればカツオなどで取ることをオススメする。
また、筍を湯がくのが面倒であれば、水煮のものを買ってくれば良いかもな。記者はたまたま、掘りたてのものをいただいたので、そちらを使用した。さて、肝心の味は自分で作っておきながらナンだが、かなり美味しい。じんわり体に旨味が浸透する感じのウマさなのだ。これは、お店の味ですわ。
頑張って取った出汁に桜海老の旨味がプラスされ、まさに絶品。筍の香りも、春らしさが感じられてとても良いぞ。思わず「ふぁ~」と、息がもれてしまったぞ。美味しいものを食べるって大事だ。どんな時でも、お腹が満たされていれば結構幸せじゃない? あなたもお家で『なだ万』の味を楽しんでみてはどうだろうか。
参照元:YouTube なだ万公式チャンネル
Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.
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▼ポイントは出汁。こちらは筍を含め煮するための出汁
▼春菊を付ける出汁も、グビグビ飲める美味しさでした
▼食材集めが少し大変かもしれない。自分なりの代用品を見つけても良し
▼菜の花(春菊)も、ちゃんと氷で締めるとシャキッとして美味しかった
▼残ったご飯はおにぎりにして、次の日食べましたとさ