皆さん、「カップラーメン」をご存じだろうか? 大抵はお湯を注ぐだけで出来上がる、即席の食品である。こんなことは言うまでもないのだが、麺あっての商品だ。もしも麺がなかったら……。いや、そんなことは考える必要がない、考えたくもない! だってカップラーメンじゃないかッ!!

だが、その “もしも” を形にした商品が登場してしまった。エースコックの『わかめラー』だ。麺がないから商品名にも「メン」がない! なんだよコレ!! ふざけてんのか!? 腹立たしい気持ちを抑えて食ってみたら、結構満足できて逆にビックリしたなぁ、もう!

・ノー麺

ある一定の世代ならご存じかと思う。石立鉄男さんのあのCM「お前はどこのわかめじゃ!」を。そう、わかめラーメンはあのCMで一気に認知度を高めた。現在そのDNAは柳沢慎吾さんに引き継がれている。わかめは良い、今も昔も変わらずわかめラーメンの看板を背負っている。

だが、この商品はなんだ! 麺がないだと? 商品自ら「まさかの」と言うのはおかしいだろ!


注意書きには次のようにある。

「お読みください わかめラーはメンなしの商品です。メンの代わりにわかめが大量に入っており、満足を得られます」


う~ん……、にわかには信じがたい言葉だ。わかめだけでどうしろというのだ。野球で例えるなら、ボールはあるけどバットがない。そんな感じの物足りなさを覚えるのだが、はたして本当に満足するのか? ちなみにわかめの量は、2019年8月発売商品の4.5倍とのことだ。


・食い甲斐アリ!

開封してみると、中に入っていたのは、かやくと粉末スープ。以上である。何も知らずに購入したら、入れ忘れたのかな? と思わんでもないが、この商品に関してはこれが正解なのである。


かやくの麺の上に……、いや麺はないんだった。かやくをカップにあけると、なんて寂しい景色なんだ、心が寒くなる……


もしかして粉末スープをわかめの上に投入したら、多少見映えするんじゃないか? と思ったが、やはり寒い……


こんなので本当に満足を得られるのかねえ。疑わしいがとにかく熱湯を注いで3分待つことにした。


3分後に出来上がったのがコレだ!!



!!!! わかめ多い !!!!


正直侮っていたが、想像を超えるわかめの量だ。もしかして、下に麺がいるんじゃないの? そんな気持ちが芽生えてくる。


ところが食っても食っても麺は出て来ない。わかめに次ぐわかめ、わかめを食ったらまたわかめの「無限わかめ」状態である。


麺がない。そのことは一見欠点のように思えるのだが、そのウィークポイントを強みに変えて、ごり押ししていると言っていいだろう。飽きるほどわかめを食わせに来ている。さすが自らをして「まさか」と言わしめた商品だ。アッパレ! もうわかめラーメンは麺と決別する道を歩むべきだ。いっそカップさえもいらない。袋でわかめラーを販売して欲しいと切望する!

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24