あなたは、天然記念物や絶滅危惧種に遭遇したことがあるだろうか? 正直、私(耕平)は、そもそもどの生物が天然記念物でどれが絶滅危惧種なのかを詳しく知らない。たとえ知っている生物があったとしても、人生の中で遭遇する確率なんて相当低いことは間違いないだろう。
そう思っていたのだが、先月ふと訪れた宮古島で、天然記念物や絶滅危惧種に指定されている生物に短時間で遭遇できるナイトツアーがあることを知った。普通に生きていたら絶対にお目にかかれない生物に……短時間で遭遇? 気になったので実際に参加してみたら、メッチャ感動したのでレビューしていこうと思う。
・ナイトツアーの達人にガイドしてもらった
今回のツアーガイドを担当した人は、20代前半ながらも沖縄離島の夜のスポット(自然の方)に、めっぽう強い “若き達人” こと「儀間 幹佳(ぎま みきよし)」さんだ。
少年のあどけなさがほんのり残る儀間さん。彼は西表島(いりおもてじま)でガイドツアーの経験を積んだ後、宮古島に移りナイトツアー事業で独立。現在、多い時には1日に数十人をガイドするらしい。
そんな若き達人のガイドで、宮古島から陸路で繋がっている離島に向かう。車でおよそ30分ほど走ったら、ツアースポットに到着だ。車を降りて懐中電灯を渡され、いよいよナイトツアー開始! 人っ子1人いない場所に、私は恐る恐る足を踏み入れた……。
・滅多にお目にかかれない生物が本当に続々と
ツアーが始まり、儀間さんの案内で歩くこと約5分。さっそく儀間さんが何かを発見したようだ。
儀間さん「ほー、あそこの木に珍しい生き物があそこに見えますよ」
耕平「えっ、えっ、どこですか?」
儀間さん「ほら、見えませんか?」
耕平「ん……なんじゃこりゃ!!」
よーく見ると、白くて細長いトカゲが木にぶら下がっていた。儀間さんいわく、このトカゲは「サキシマキノボリトカゲ」というらしく、宮古島や石垣島などの離島あたりに生息する準絶滅危惧種。遭遇すること自体が珍しい貴重生物のようだ。
そして、さらに歩いていくと……
儀間さん「あっ、また見つけました。これも珍しいですねー」
と言いながら、彼が懐中電灯を向けたら……!
ヤ……ヤドカリ!?
儀間さんによると、このヤドカリは「オカヤドカリ」という種類で、国の天然記念物に指定されているとのこと。天然記念物なんて、聞いたことは何度もあるが実際見たのは初めてだ。
それはさておき、わずか10分程度で一生に一度会うかどうかの生物に2匹も遭遇してしまった。何という異空間なんだ……。
・初めて生で見た、あの生物
さらに奥に歩いていくと、「ガサガサ」という音が岩場から聞こえてきた。その音の方向に向かって、儀間さんが懐中電灯片手に近づいていく。そこにいたのは……なんと!
ヤシガニである!
ヤシガニと言えば、前述の2匹の生物に比べたら知名度は高いものの立派な国家レベルの絶滅危惧種だ。そんなヤシガニを、岩場で見つけたと思ったら……
草場にも!
またまた別の岩場にも……。
……って、めちゃめちゃヤシガニいるやんけ!!!
と心の中で叫んでいるうちに、あっという間に時間だ。とても日本にいるとは思えない時間を堪能した後は、儀間さんに宿の近くまで送ってもらった。あまりの感動にお礼を言いつつ、最後に記念写真をパシャリ。
・観光シーズンは予約が取れないことも
ということで、宮古島に訪れた際は、このナイトツアーに体験してみてはいかがだろうか? ちなみに私(耕平)が訪れた時期は、たまたまオフシーズンだったため、儀間さんのガイドを運良く独占できた。
しかし6月以降の本格的な観光シーズンの場合は予約が取れないこともあるそうなので、スケジュールが確定したら早めに連絡することをオススメする!
参考リンク:宮古島のナイトツアー「がじゅまる」
Report:耕平
Photo:RocketNews24.
▼準絶滅危惧種の「サキシマキノボリトカゲ」
▼天然記念物の「オカヤドカリ」
▼実は絶滅危惧種に指定されている「ヤシガニ」もウジャウジャ
▼ツアーガイドの儀間さん、あざっす!