ロケットニュース24

【告白】2年前、私が「スタバ銀座 蔦屋書店」で起こしてしまった事件について謝罪したい

2019年12月23日

年の瀬が迫っている。2019年も残すところあとわずか。こんな慌ただしい時期にする話ではないかもしれないが、今を逃すと一生言い出せないかもしれないので どうか聞いていただきたい。この私、あひるねこには どうしても謝罪せねばならないことがある。その相手とは……スタバだ。

正確には「スタバ 銀座 蔦屋書店」に対してである。忘れもしない。あれは2017年4月20日のことだった。この日、東京・銀座エリア最大の商業施設「GINZA SIX(ギンザ シックス)」がついにオープン。私も現場に足を運んでいたのだが、そこで予期せぬ事件が起きてしまう。

・事の発端

本題に入る前に、まずは事件に至るまでの簡単な経緯をご説明しよう。オープン初日、話題の「GINZA SIX」を取材するため、当編集部の佐藤と私は1時間以上も並んで店内へと入った。そこからは二手に分かれ、あらかじめ目星を付けておいた店舗を回る作戦だ。

佐藤の指示により私が最初に向かったのは、ビル6階にある「スタバ 銀座 蔦屋書店」である。こちらは「スターバックス コーヒー リザーブ バー」という通常とは異なるレア店舗で、お目当ては『ナイトロ コールド ブリュー コーヒー』なるアイスコーヒー。

当時、このコーヒーが飲めるのは日本で唯一ここだけだったため、記事にする価値は大いにあると思われた。混雑する前にサクッと飲み干し、早く次のネタに移動しよう。そう予定していたのだが……まさかあのような悲劇が起きようとは。この時の私は想像すらしていなかった。

・店内へ

さて、いくらスタバの新店舗とは言え、200以上のブランドが入った大型施設のオープン直後では人はまだまばらだ。しかも『キャラメルマキアート』みたいな定番ではなく、『ナイトロ コールド ブリュー コーヒー』なんていう “通好み” な商品を頼む客は限られているだろう。というか、おそらく私が第1号のはず。

その証拠に、たしか『ナイトロ コールド ブリュー コーヒー』の準備が遅れているとかで、私はカウンター横で少し待たされることになったのだ。まあそれ自体は一向に構わないのだが、この間、気を遣った黒エプロンのバリスタさんが私の方に来て話しかけてきた。なんだろう、嫌な予感がする……。

・コーヒーのプロ

爽やかな男性バリスタさんは、『ナイトロ コールド ブリュー コーヒー』やマシン等の店内設備、また使用する豆についての解説を丁寧にしてくれた。その内容は非常に専門的であり、せっかく教えてもらってはいるものの、ぶっちゃけ何を言っているのかよく分からない。

完全なるコーヒー素人に向かって、いきなりそんな話をされても困るのだけど……。だがここで、私は自分が置かれている絶望的な状況にようやく気付いたのだ。


俺、めっちゃコーヒー好きなヤツやん。


・不幸な勘違い

ハッキリ言って私はコーヒー知識ゼロである。だが向こうからしたら、平日の新店オープン日に日本で唯一のコーヒーを一番乗りで飲みに来たコーヒーガチ勢に他ならない。しかも1時間以上並んで入ってっからね。俺どんだけコーヒー好きやねん!

おそらく彼の中での私は熱狂的なコーヒーマニア、もしくは同業者だろう。オープン初日で接客にも気合いが入っているからか、アクセル全開フルスロットルのコーヒートークを丸腰どころかほぼ全裸の私に仕掛けまくってくる。いや、どこ製っていうか、そもそもその「ブラックイーグル」って何なんだよ! 鳥かよ!!

・キツイ

なんかもう「へ~」と「あ、そうなんですね」くらいしか相槌の持ち駒がないのが苦しくなってきた。何より、先ほどからバリスタさんの表情に「こいつ全然打ち返してこねーな」みたいな明らかな戸惑いが見え隠れしているのが辛すぎる。のれんに腕押しとはまさにこのこと。そうだ、俺はのれんだ……! のれんなんだ……!! 気付け……!

こうしてようやく口にした『ナイトロ コールド ブリュー コーヒー』は、バリスタさんへの申し訳なさや気まずさ、恥ずかしさが入り混じった感情のせいでほとんど味がしなかった。妙に苦み走っていたのはハッキリ覚えているが……。

・ごめんなさい

ちなみに当時の記事を読み返すと、味について書けることがほぼなくて困っている私の様子が手に取るように分かるぞ。あの時の親切な男性バリスタさん、そして「スタバ 銀座 蔦屋書店」さん。この場を借りてお詫び致します。本当に申し訳ありませんでしたーーーーー!

・後日

謝罪の意味を込め、私はオープン以来、約2年8カ月ぶりに同店を訪れていた。6階に上がると、そこにはあの日見た懐かしき光景が広がっている。

頼むのは当然『ナイトロ コールド ブリュー コーヒー』。この日のバリスタさんは全員女性で、残念ながら彼はいないようだった。席で待っていると、そこへ因縁の相手が到着。

オープン当時とグラスが変わり、さらにオシャレに進化を遂げている。それでは、いただきます。……なるほど、ビターだがやはり口当たりは極めてまろやか。ブラックなのにトゲトゲしさがまるでない。サーバーから抽出されたビールのような泡が何とも言えずクリーミーだ。間違いない……。


あの時の1000倍おいしいです。


・切に思う

店を出た私の胸からは、鉛のような重苦しい感情がコーヒーのしみ入るような苦みと共にスッと消えていた。スタバは私を許してくれたのだろうか? それは分からない。分からないが、私はこれからも『ナイトロ コールド ブリュー コーヒー』を飲み続けようと思う。いつまでもいつまでも、いつまでも飲み続けようと思う……。


──ちなみに現在、公式サイトによると『ナイトロ コールド ブリュー コーヒー』が飲める店舗は国内100カ所以上にまで拡大している(2019年12月19日時点)。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名スターバックス 銀座 蔦屋書店
住所東京都中央区銀座6丁目10-1 GINZA SIX 6F
時間10:00~22:30
休日不定休

参考リンク:スターバックス
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

当時の記事はこちら。「入店前からとにかくバリスタさんが親切・丁寧にコーヒーについて解説してくれるのが、非常に印象的であった」

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日本、〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目10−1
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