世の中には、レストランで出される料理に何からのアレンジせずにはいられない人たちがいる。なぜか? ちょっとでも美味しくしたいとか、自分だけのアレンジを見つけたいとかそんなところだろう。どちらにせよ、アレンジしたもの全てが美味しくなるわけではないのは悲しい事実である。
実際のところ、「そのまま食べた方がよっぽど美味しい」という改悪アレンジも少なくないのだが……。今回紹介するアレンジに関しては安心していい。私は仕事柄、様々なアレンジを試すのだが、これは相当に画期的なカスタムって気がするぞ。すごいの見つけたって気分だ。
そして、その食べ方を好む人物は、少なくとももう1人いる。それが……
吉野家の社長。
というかその食べ方は、吉野家の社長が好きな「牛丼の食べ方」なのだ。なぜそんなことが分かるかといえば、吉野家の広報の方が教えてくれたから。私が「“中の人” が好きなアレンジを教えてください」と尋ねたら……
「現社長の河村は、黄身のまろやかさと、お新香の食感とさっぱり感を同時に味わえる両方派」
──だという。まさかの社長アレンジが飛び出したことに驚愕したが、どんなものか興味がある。そこでさらに詳しくやり方を聞き、実際に吉野家の店舗で試してみた。すると……。
まず第一に、その手順はちょっとややこしい。慣れればどうってことないのだが、初めて試す人は混乱するだろうから、スマホで以下を見ながら注文するのをオススメする。やり方的にはこんな感じだ。
【注文するもの】
・牛丼(つゆぬき)
・玉子
・お新香
・味噌汁(必要に応じて)
※ 注文の際、セパレーター(玉子の黄身と白身をわけるヤツ)もお願いしておくとスムーズ
手順その1:セパレーターで玉子の黄身だけを取り出す
手順その2:その黄身を牛丼の上にのせる
手順その3:黄身を牛肉に絡める
手順その4:その上にお新香をのせる
手順その5:さらに、そこに七味をたっぷりかける
手順その6:白身は好みで味噌汁に入れる
──以上である。
こいつを頬張ると、まず感じるのはお新香の食感。シャキシャキシャキシャキ。その後にそして玉子の黄身でまろやかになった牛肉がやってくる。トロトロトロトロ。合わせて、シャキトロシャキトロ。それらをご飯と一緒にかきこめば……マズいわけがない。
通常の牛丼と比べると、牛肉の角が取れてマイルドさがプラスされたというか、牛肉とご飯の親和性がより高まっているというか、洗練された「大人の牛丼」というか……。
・もっとパンチが欲しい人は紅生姜を
ちなみに私の場合、食べる前こそ「手順が複雑すぎる(笑)」と思っていたものの、ひとくち食べた時点で「これはガチで使えるアレンジ」と確信した。それ以降、吉野家の店内で牛丼を食べる場合は、ほぼ毎回上のようなアレンジを施している。ちょっと面倒だけど、それは慣れだ。
ただし1つだけ言うならば、牛肉がマイルドになるために、人によっては「その点が逆にもの足りない」と感じる人もいるかもしれない。なので、「手順その4」にもある通り、七味をたっぷりかけるのがコツだろう。または、卓上の紅生姜をプラスしてもいいかと思う。
もしくは、あえての “つゆだく” ってパターンも……と、このアレンジに対するアレンジもまた無数にあるかと思うので、それぞれ試してみてくれ。そして、「この食べ方の方がもっと美味い!」ってのを発見したら、教えて欲しい……!
参考リンク:吉野家
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
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