ロケットニュース24

【意味不明】ミツカンさん、何を思ったか野菜の「捨てる部分」まで丸ごと商品化ッッ! 開発者に理由を聞きに行ったら “引くほど濃い” 事態になった

2019年9月5日
提供:ZENB JAPAN

突然だがあなたは、トウモロコシをまで食べるだろうか? 枝豆を さやまで食べるだろうか? 中にはすべてを食らい尽くす剛の者も存在するかもしれないが、居酒屋で枝豆を頼んだとして、さやまで食べ出すヤツがいたら正直引くよな。え? ジャングルで育ったん? 的な。

ところが! そんな一般的な感覚を根底から覆すような商品を、あのミツカンが生み出してしまった。ZENB(ゼンブ)という新ブランドなのだが、なんとこれ、普段は食べないような野菜の皮や芯の部分まで可能な限り丸ごと使用しているらしいのだ。……いやアカンやろ! 何考えてんだコラ!!

・ミツカン、謎の商品

野菜不足が気になる人のために生まれたという『ZENB』。新しい野菜の食べ方を提案する食品とのことだが、いまいち何を言っているのか分からないので実際に商品を用意してみた。今回ご覧いただきたいのは、『ZENB PASTE(ゼンブ ペースト)』という瓶に入ったペーストだ。

ビーツ、パプリカ、コーン、枝豆、えんどう豆と、皮やら種やら芯やら満載のラインナップである。ミツカンによるとこのペーストには、そういった本来は捨てる部分が丸ごと入っちゃってるらしいぞ。いや入っちゃったのかよ! ダメだろ入れちゃ!!

・食べてみた

逆に味が知りたくなってきたので、この『ZENB PASTE』を編集部メンバーで試食してみることに。オールウェイズ野菜不足な我々にとって、まさにうってつけの商品と言えるだろう。それでは、いただきま~す。


\ パクッ /

すると……。


うわ!! 濃ッッッッッッッ!!!!!!

・マジで濃い

な、何だこのドロォォォっとした濃厚なペーストは! 野菜を極限まで濃縮したかのような……こんなの初めて食べるぞ!! そして同時に、めちゃくちゃウマいことにも一同ビックリである。この中に皮や芯が入っているなんて、とてもじゃないが信じられない。え、マジで何なのコレ……?

理解を超えた濃厚さに呆然としてまったが、ふと公式サイトを見ると、『ZENB PASTE』を使った様々なレシピが紹介されているではないか。これを再現すれば、『ZENB』の魅力をより深く知ることができるのでは? というわけで、さっそく『ZENB PASTE』を使ったフルコースを作ってみたい。


ペーストをこう……


いろいろあれして……


これして……


オラァッ!


できた。

・『ZENB PASTE』使用したレシピ

いかがだろうか。5つのペーストを使って、ミツカンがオススメするレシピを再現してみたぞ。デザートとコーヒーはお食事の後にお持ちするとして、まずは以下の4品をご賞味あれ。


ステーキ ビーツソース

まるごと野菜のドレッシング(パプリカ

ホウレン草のスパイスヨーグルトサラダ(エンドウ豆

トウモロコシのガスパチョ

最初に『ZENB』を食べた時は、ぶっちゃけペンキかってくらい濃くて驚愕したものだが、『ZENB』によって完成したこれらのメニューはハッキリ言って異次元のウマさである。なんというか、お店の味みたいになったのだ。

・絶品

中でも特にヤバかったのが「トウモロコシのガスパチョ」である。コーンと豆乳、酢、塩、オリーブオイル、こしょうだけで作ったにもかかわらず、きっとこれが生涯で最強のガスパチョであると自信を持って断言できるぞ。この滑らかさやコクは、トウモロコシを使っただけでは絶対に出せないだろう。激ウマ……!


お食事の後はこちらをどうぞ。


アイス&ペースト(ビーツ

枝豆のホットコーヒー

なるほど、単体だと濃すぎるかと思いきや、こうして食べると野菜本来の甘みを楽しむことができるのか。『ZENB PASTE』のポテンシャルが発揮されたフルコースの料理に大満足の私(あひるねこ)だったが……。

・教えてほしい

やはりどうしても解せないことが一つある。たしかにウマかった。けど……なんで捨てる部分まで入れちゃったんだコラ! 説明しろいッ!! というわけで翌日、愛知県半田市にあるミツカン本社まで行って話を聞いてみることにした。おう、マジで来たぞ。


会議室に通されたので扉を開けてみると……


むむ! 誰かいる……。


ははぁん……なるほど。

アンタか!

『ZENB』に全部入れちゃったのは!!

何してくれてんだコラァァァァアアア!!!

・突撃インタビュー開始

ご紹介しよう。今回お話を聞かせてくれる『ZENB』開発担当の長岡さんだ。そう、『ZENB』に全部入れちゃった入れたがりの男である。何故全部入れてしまったのか、その理由を聞いてみたので以下でお伝えしたい。


──単刀直入に伺いますが、一体何のつもりなんでしょうか?


「実はここ数年、グローバルな視点で “食” に貢献できることはないか考えていたんです。日本の人口は減少傾向にありますが、世界的に見ると、10年20年後は増加すると言われています。その結果、食料が足りなくなっていく。日本は大丈夫だけど、グローバルで考えると食料が足りなくなるんです」

マジかよ、予想に反してめっちゃ真面目な話が始まったんだが。いきなりの展開に動揺を隠せない私。ただ、こうした将来的な食料不足に対する問題意識が、どう『ZENB』に繋がっていくのだろう。


「私たちはこの先、植物の有効活用が大事になっていくのでは? と考えました。植物を丸ごと使っておいしく食べられるようになれば、環境にも良いですよね。皮や種、芯といった捨てる部分まで食べられるようにしたい。という思いから『ZENB』が始まったんです」


──なるほど。なんかすいません、“入れたがりの男” とか言っちゃって。使えるのに捨てちゃったら、もったいないですもんね。


「ええ。でも、実はそれだけではないんですよ。よく野菜の栄養は実と皮の間にあるって言いますけど、例えばトウモロコシの芯には食物繊維がいっぱい入っているんです。ビーツの皮にはポリフェノールが入っている。だからこのやり方は、環境的にも栄養的にもメリットがあるんですね

・納得の理由

事実『ZENB』には、食物繊維が豊富に含まれているという。何となく調味料のようなイメージがあったが、そうではなくむしろ新感覚の野菜と捉えた方がいいのだろう。ただ、そんな画期的な商品なら何でもっと早く作ってくれなかったんです? サボってんのかコラ!


「いや、トウモロコシの芯とか硬くて食べられないじゃないですか(笑)」


まさかの正論である。


「そこをどうするかっていうのが一番のハードルでしたね。ミツカンはお酢の会社で発酵技術が強みなんですが、215年の歴史の中で他にも様々な加工食品を作っていて、その過程で培った硬いものを細かくする技術を使ってみたところ……面白いものができたという感じです」

──では、『ZENB PASTE』についての社内の反応を教えてください。トウモロコシの芯まで食べたいと提案した時、「何言ってんだコイツ」的な空気になりませんでしたか? 僕は正直そう思いました。


「いえ、特には(笑)。『何でもやってみよう』という反応でしたよ。ダメだったら止めるし、イケそうなら行く。ただ、ホウレン草みたいな葉物は苦味が出てダメでしたね。たぶん20~30種類は検証したんじゃないかな。商品化した5種類は彩りもよく、まさに精鋭たちです」


──彩りと言えば、『ZENB PASTE』ってすごく派手な色をしていますよね。素材そのもののおいしさを大切にし、添加物に頼らない味作りをされているにもかかわらず、もはやペンキレベルのこのカラフルさ……。ぶっちゃけ着色料使ってます?


「いいえ、使っていません(キッパリ)」


──またまた、ご冗談を。ホントは使ってるんでしょう? 誰にも言わないから教えてくださいよ。


使っていません

・ガチ……!

にこやかだった長岡さんの目が、一瞬狩人のようになったため、本当に使っていないのだろう。その後、技術的な面については話せない部分が多いとしながらも、長岡さんは『ZENB PASTE』製造の秘密を教えてくれた。


「『ZENB PASTE』には野菜の食べられない部分をすり潰して、おいしくする技術が使われています。工程としては、野菜をいったん濃縮して水分を飛ばし、その上でオリーブオイルと一緒に細かくすり潰すんです。……まあ大ざっぱに言うと、これくらいですかね」


──え、それだけですか?


「はい。実は『ZENB PASTE』には、野菜とオリーブオイルしか入ってないんですよ。味も付いてないですね。もちろん着色料も入っていません。色が濃いのは、水分を飛ばしているのとオリーブオイルの影響なんです」

・極めた結果

栄養に関しても素材そのものの栄養成分のみで、後からは一切加えていないらしい。マジで素材そのままなんだな。そりゃあんな濃い味にもなりますわ。ちなみに、完成品を初めて食べた時の社内の反応はどんな感じだったか聞いてみたところ……。


引くほど濃い、と」


──(爆笑)


「口の中の水分をすべて持っていかれるような、かつて感じたことのない濃さだと言われました。社内は騒然です

──めちゃくちゃ言われとるがな! でも、個人的には種や芯が入っているとは思えないほどおいしかったです。あれは不思議でした。


「ありがとうございます。開発にあたり、本来捨てる部分を入れたものと入れていないもので食べ比べたりしましたが、例えばコーンなんかは、芯まで入れることで味に深みが生まれるんですね。これはぜひ味わっていただきたいです!」

・買えるのはネットだけ

たしかにこの感覚は、実際に食べてみないことには分からないだろう。が! なんと『ZENB』はスーパーなどでは販売されておらず、ZENBのサイトでしか購入できないそうだ。何でや長岡はん! 何でそんなことになっとるんやーーーーー!!


「私たちとしては今のところ、『ZENB』を理解して、価値を感じてもらった上で買っていただきたいと考えています。なんとなく買ってマズい、ウマいで終わるのではなく、最初にお話したような、その背景にある考え方を理解していただきたいんです」


──ふむ。つまり『ZENB』には、ミツカンさんの理想がつまっているんですね。


「目指す場所がつまっている、という感じでしょうか。私たちは “おいしい” と “カラダにいい” のどちらも叶えたいと考えています。おいしさと健康の一致、それこそ食生活であり、その究極系が『ZENB』なんです」

野菜の捨てる部分まで全部入れちゃった『ZENB』。なに全部入れちゃってんだコラ! とミツカン本社まで乗り込んだ結果、人と地球と社会の健康という濃い話にまで発展したのは想定外であった。濃いのはペーストだけじゃないんかいと言いたくなったが、『ZENB』に込められた並々ならぬ熱量が皆さんにも伝わったのではないか。

・お試しあれ

先のフルコースで示した通り、『ZENB PASTE』の汎用性の高さは異常である。事実、すでに『ZENB PASTE』を導入している飲食店も多くあるそうだ。レシピ的にも無限の可能性が広がっていることは言うまでもない。

が、まずは実際に食べていただき、中に皮や種や芯まで入っているという圧倒的な事実と、そのウマさに驚いていただきたい。あなたも私同様、そこに “食” の未来を垣間見ることだろう。そしてきっと、こう叫ぶはずだ。濃ッッッッッッッ!!!!!! と。

参照元:ZENB JAPAN(ミツカングループ) 『ZENB』
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼こちらの『ZENB STICK』は、いつでもどこでも食べられる食物繊維たっぷりの丸ごと野菜だ。

▼もちろんそのままでもウマいが、焼いて食べたり砕いてヨーグルトに混ぜたりと、野菜を調理する感覚でおいしく食べることができるぞ!

▼2019年9月12日から9月23日までの間、東京ミッドタウン内にある「21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3」にて『野菜とデザイン』展が開催される。野菜が持っている機能美から栄養、おいしさまでデザインの視点で切り取った、『ZENB』の世界が体験できる無料展示だ。ZENB商品の試食と商品の販売もあるぞ!

▼会場にはなんと2メートルのパプリカが登場! でけェェェェェエエエ!!

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