激化する付録戦争。以前の記事で、小中学生向け少女マンガ雑誌『ちゃお』にルンバみたいなお掃除ロボがついてくることをお伝えした。37歳の私が子供の頃からは考えられないほど、雑誌の付録は進化を遂げている。
そして、この度ネットで付録が話題になっているのが4歳から6歳向けの雑誌『幼稚園』だ。9月号の付録はなんとATM! 念のために言っておくが、園児の間で流行っているアニメキャラの略称などではない。コンビニとかにあるあのATMだ。
・Twitterで話題に
2019年8月1日に発売された『幼稚園9月号』。その付録を紹介した『幼稚園』編集部の公式Twitter(@youchien_hensyu)の投稿は13万リツイートを越え話題になっている。そこに映っているのはまごうことなきATM……
幼稚園9月号ふろくは「セブン銀行ATM」。モーターユニット内蔵で、お札の出し入れが楽しめます。お札を入れるときは、なるべくまっすぐ入れてください。本物と同じサイズのお札が12枚付き。8月1日ごろ発売です。 pic.twitter.com/9uVRXkV6LN
— 小学館『幼稚園』編集部 (@youchien_hensyu) July 29, 2019
……のミニチュア版。サイズこそ机に乗るくらいになっているが、自動的にお札が出てくる様子といい、画面やバイト雑誌とかが入ってる棚までついていることといい相当の再現度だ。それにしても明らかに雑誌より大きく、なおかつ高機能だがこれどうやって作るんだろう?
・買ってみた
気になったので、『幼稚園9月号』を買ってみた。クオリティーが高すぎてTwitterの投稿では分からなかったのだが、どうやら厚紙を組み立てて作るもののようである。
付録には、単3電池1本で駆動するモーターがついていた。なるほど、このモーターでお札の出し入れが可能にしているのか。
なお、作り方を見ると、モーターへの乾電池のセットの項目には、「必ず大人のかたが行ってください」という注意書きが。裏を返せば、その他の部分は園児が作るということになる。最近の園児凄いな。ATM作っちゃうのか。
・作ってみる
とは言え、まあ、4歳から6歳児が作れるように超簡単な作りにはなっているはず。ガチで作ったら余裕だろう。なにせこちとら37歳児なのだ。ひょっとしたら、作り方なんて見なくても作れちゃうかも。と思いきや!
あれ?
ここって折るところ?
なんかツメと穴の位置がズレるんだけど……
さっき入れたツメ外れとるやないかい!
インターホンとかコーヒーホルダーめんどくさッ!!
めちゃくちゃ細けェェェエエエ! 当初、心の中で園児相手にマウントしていた私は、気づけば『幼稚園9月号』とにらめっこしているような状態に。
・現代の園児がヤバイ
しかし、なかなかうまくいかない。「こうかな?」という感じでジリジリと進み、結局組み立て上げるまでに2時間ほどかかってしまった。これを1人で組み立てられるとしたら最近の園児ヤバすぎるだろ。私が4歳から6歳くらいの頃は、プラポンを無作為に繋げるか泣くかくらいしかやってなかったぞ。
現代園児の “ヤバさ” をまざまざと見せつけられているような気分になる『幼稚園9月号』。雑誌には、ATMの基本的な説明から、変わったATMの紹介や全国のセブン銀行ATMの台数など、大人も知らないようなことも書かれている。
これがキッカケでATMに興味を持つ4歳児が現れるかもしれない。そう考えると夢があるのかないのかよく分からない話だが、一緒に組み立てることは親と子供のコミュニケーションにはなるだろう。いずれにせよ編集部のこだわりと気合いが随所に感じられる号だった。
参照元:Twitter @youchien_hensyu
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.