日本の祭りに欠かせない神輿。大勢の人たちが威勢よく担ぎ上げる様は、これぞ祭り! って感じで実に活気がある。ただ、昔からあれは純粋に見物するものであって、参加するものではないような気がしていた。無論、自分で担いだことなど一度もない。ところが……。
先日、ひょんなことから生まれて初めて神輿担ぎに参加することになった。これまで遠巻きに眺めているだけだったのに、齢33にして初めての神輿……。ぶっちゃけ不安しかなかったが、めったにない機会なので思い切って突撃してきたぞ。オイサー! ホイサー!!
・初めての神輿
私(あひるねこ)の友人に、都内各地の祭りに参加する宮川大輔のような男がいる。年に何回も神輿を担ぐという、生粋のお祭り野郎である彼に誘われる形で、今回私も祭りに参加させていただくことになったのだ。
・まずは準備を
神輿を担ぐには私服ではダメだ。ある程度、祭りっぽい服装を用意する必要がある。そんなん言われても何着りゃええねん。って話だが、意外と街の商店街で売っているものなんだな。呉服屋とか初めて入ったぞ。
そこでダボシャツや足袋(たび)、さらしなどを揃えて当日に備える。
今回私が参加させていただくのは、東京・四谷にある須賀神社の例大祭だ。ちなみにこの須賀神社、アニメ『君の名は。』の聖地としても有名である。さあ、お世話になる町会で はんてんをお借りし準備は完了。
\ いざ出陣! /
と思ったものの……。
・活気がありすぎる
祭りは警察がガッチリ交通整理するような大規模なもので、参加者や見物客が外の通りをギチギチに埋め尽くしている。中も中で様々な町会から担ぎ手たちが集結しており、神輿の周囲は大混雑だ。マジかよ、この中に入るのか……。
どうやら町会によって「ここからここまで」みたいな担当エリアが決まっているようだが、基本的にみんな神輿をめっちゃ担ぎたいらしい。特に前方付近は人気があって、入れ替わりの時ともなると一気に人が押し寄せ、現場は大いにガチャつく。
つまり……。
まったく入っていけねぇ。
・突撃
担ぎ手の中には「普段何の仕事をしているんだろう……?」的な謎のおっちゃんもおり、しかも酔っ払っているためそれはそれで面白いのだが、みんな威勢がいいので初心者にはちょっと入りづらい雰囲気である。しかし! さすが祭りのベテランたちは一味違うぞ。
「俺にピッタリ付いてこい。担がせてやる」と、私を先導してくれる町会の兄さん方。ちょうど入れ替わりのタイミングで、「行くぞッ」と前に突撃していく。マ、マジすか……うわああああああ! 出る人と入る人で現場はカオスだ。やべえ! ただのモッシュピットやないか!! 祭りっていうかサマソニかよォォォォオオオ!
が、その結果。
人生初の神輿担ぎに成功!
・最前列へ
こ、これが神輿……! なんという活気だ。人がぎゅうぎゅうにひしめき合ってやがる……!! 掛け声や担ぎ方は地域によって異なるとのことだが、ここでは皆「オイサー! ホイサー!!」とテンポよく叫んでいるぞ(「ちょいちょい」とも言う)。ものすごい熱量である。で、そこからさらに移動して……。
いよいよ神輿の先頭に!
先頭に立つ人は、先棒(はなぼう、棒の先端のこと)を首の後ろと両手で支えるのが四谷スタイルらしい。足を前方に出し、中央側に寄り掛かるようにしてスリ足で歩くのだ。オイサー! ホイサー!! オイサー! ホイサー!! うおおおおお、神輿担いでる感じがするゥゥゥゥゥウウウ。
・祭りを終えて
こうして、私の初めての神輿担ぎは無事に幕を閉じた。まさか神輿周辺がライブ会場のような騒ぎになっているとは思わなかったが、場の空気自体はこれぞ日本の祭りといった風情で活気に溢れていて、外からでは分からないだろう独特の感覚を味わうことができ大満足!
とは言え、私一人だったら中の方まで入っていくのは難しかっただろう。サポートしてくれた町会の方たち、そして貴重な経験をさせてくれた友人に心から感謝だ。さらば神輿、また会う日まで~~~。
……と思ったけど、よく考えたら最初に揃えた祭り用の服一式、あれ全部で1万円以上したんだった! 1回1万て高けーなオイ!! 貴族の戯れかよ! というわけで、もしかしたら今後も祭りに参加することがあるかもしれないぞ。本家・宮川大輔なき今、次のお祭り男は俺しかいない! 次回、期待せずに待て。
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
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