情熱の国・スペインには、日本刀と炎を使いこなすカリスマ美容師がいる──数年前に世界中で話題となり、当サイトでもお伝えしたので覚えている方もいるだろう。当時、衝撃を受けた記者は、機会があれば彼に髪を切って(燃やして)もらいたいと密かに思っていた。
時は流れて2019年5月末、スペインに立ち寄る機会があった記者は、通称「サムライサロン」に突撃してみることを決意。予約メールを送ったら「送信エラー通知」が返ってきたため、おそらく……というか確実に予約はできていないが、とにかく行ってみることにした。
・マドリード空港から約1時間
「サムライサロン」の正式名称は『Alberto Olmedo』。日本刀でヘアカットをする店主、アルベルト・オルメドさんの名前がそのまま使われている。Googleマップで場所を確認してみたところ、マドリード空港から地下鉄を利用すれば約50分で行けることがわかった。
ちなみに、営業開始は朝10時。先述の通り、予約が取れていないため、朝1番でお邪魔して、ダメなら市内観光に切り替えようというプランで挑むことに。アルベルトさんは世界中のヘアショーで活躍しているカリスマ、お店にいない可能性も十分にあるだろう。
地下鉄の乗り換えに苦戦しつつも、最寄りの「Colonia Jardin駅」には、9時30分頃に到着した。よし、いよいよだぜ。一刻も早く日本刀で斬られたい。高まる気持ちを抑えながら10分ほど歩いて行くと……お、お、おおおおおおおお!
ここだーーー!
ついに……ついに来たぞ。この感動を誰かに伝えたい。なんというか、世界遺産を独り占めしている気分である。たまらん、マジでたまらん。よし、オープンするまで近所の公園でスタンバイしておこう。いよいよだ。はぁ~、早く燃やされたい。
・ドキドキしながら入店
そんでもって10時過ぎに再訪、ドキドキしながら入店すると……いた。荒野を駆け抜けるカウボーイを思わせるクール & ワイルドな後ろ姿。チョイ悪な長髪からは、男の色気がダダ漏れである。間違いない。
彼こそが……
アルベルト・オルメドさんであるッ!
・かなりのジェントルマン
さあ、本題はここから。5分ほど待った後、接客を終えたアルベルトさんに「あなたに会いに来ました」と伝えてみた。すると……
「よく来たな。俺は日本のテレビやニュースでも特集されたことがあるんだ。今日は君に最高のテクニックを披露してあげるよ」
・ナイスタイミング
感動。ギャップある優しい笑顔に感謝・感激である! もう日本刀でザクザク斬られた気分だ。翻訳アプリで会話を進めると、ちょうどこれから女性客の髪を日本刀と炎でカットするという。ナイスタイミング。生観戦できるなんて最高だぜ……。
・神業の数々
そして、壁に掛かっている日本刀を手にしたアルベルトさんは表情を一変。「今から人を殺めます」と言わんばかりのオーラを放ち、近寄りがたい雰囲気に。美容室全体に独特の緊張感が漂う。空気を察した女性客は、神に祈りを捧げるかのように首を垂れた。ゴクリ……。
いよいよである。精神統一を終えると……日本刀カットが始まったァァァァアアアアア!
二刀流スゲエエエエエ!
髪の毛燃やしてるゥゥウウウ!
ドライヤーも二刀流ゥゥウウウ!
神業が炸裂しまくりで、所要時間はたったの10分ほど。あっという間に女性客のヘアスタイルが完成した。世紀のマジックショーさながらの圧倒的パフォーマンスである。
アルベルトさん曰く、ハサミで髪を切るよりも刀で切る方が髪型をキレイに維持できるうえに、傷んでいる部分のみを削ぎ落すことも可能らしい。また、原始的なヘアカット方法に興味があり、今後さらに極めたいとのこと。向上心がえげつないな。
・鉄のツメ
さあ、つづいては記者の番だ。髪が短いから日本刀は無理かなァ~なんて思っていたら、「鉄のツメ」を装着したアルベルトさんが登場。マジかよ。そして……1ミリもためらうことなくザックザク! いくら何でも大胆過ぎィィィイイイイイーーッ!!
想像以上に八つ裂きィィイイイ!
──といった感じで、記者のヘアスタイルは5分ほどで完成。「1000円カット」もビックリのスピード感であった。
あまりのテクニックの連打に、カット中に思わず笑顔になってしまうから、興味がある方はぜひ体験してみてほしい。とにかく感動。アルベルトさん、本当にありがとうございました!
Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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▼動画はこちら
▼ライトセーバー的な道具もあり
▼長いツメもあり
▼美容師さんとは思えない
▼素晴らしい体験でした
▼もう一度動画をどうぞ
▼アルベルトさんの活躍は、こちらの動画でも見られるぞ