平成は、寿司という料理が大きく進化を遂げた時代といっていいかもしれない。回転寿司チェーンの頑張りもあって、昭和の時代には考えられなかったであろう創作寿司が数多く開発された。ハンバーグやらオムレツやら、魚介類以外のネタを乗せた寿司に飽き足らず、しまいにはブルーベリークリーム寿司なんてものが登場してしまったくらいだ。
その結果、寿司に関して言えば我々は多少の変わり種では驚かないようになってしまったといえよう。だが、令和が始まってから数日、さっそくファミリーマートが驚くような商品を新しく発売した。カレーいなり寿司……だと!?
・合うのか? 合わないのか?
カレーいなり寿司は、2019年5月7日より発売されている。価格は税込128円だ。ネーミングだけで相当なパンチ力があるが、興味は「合うのか? 合わないのか?」の一点に尽きる。スパイシーなカレーと甘い油揚げの組み合わせだけに、喧嘩する恐れは大いにある。
・結論は「アリ」
購入してすぐに実食。で、食べた結論からいうとアリだ。蝶のように舞い、蜂のように刺すボクサーのことではない。この組み合わせはアリだ。
詳述しよう。まず油揚げは普通の油揚げ。この商品のために特段工夫を凝らしたものとは思えない。ポイントは酢飯と鶏そぼろ。酢飯は黄色いもののカレー感はそこまで強くなく、「わずかにカレーの香りをまとった酢飯」といった味わいだったのだ。
代わりにカレー味を強調しているのは、中央に配された鶏そぼろ。これがスパイシーな味付けで、本商品をカレーいなり寿司たらしめている。
酢飯までゴリゴリのカレー味にしていたら、もしかしたら味の喧嘩を起こしていたかもしれない。カレー味を主張する役目は具材に任せて、酢飯の味付けを控えめにしたことで全体的にバランスの取れた商品に仕上がっているといえよう。見切り発車的に作られた商品ではなく、よく考えたうえで開発された商品だと感じた。
意外や意外、当たりだったファミリーマートのカレーいなり寿司。コンビニおにぎりも美味しいが、コンビニ寿司も負けてはいない。なにより100円ちょっとで曲がりなりにも「寿司」を食べられるプチ贅沢感が良い。ファミリーマートを含む各チェーンには、今後も新作のコンビニ寿司をどんどん発売していただきたい。
参考リンク:ファミリーマート「カレーいなり寿司」
Report:グレート室町
Photo:RocketNews24.