ロケットニュース24

格安高機能スポーツブランド「デカトロン」の実店舗に行って気になったこと / ワークマンのライバルになり得るのか?

2019年4月23日

「ワークマン」といえば、肉体労働者のオアシス。作業着の代名詞としてよく知られてきたブランドだ。それがここ数年、高い機能性を誇る格安衣料品の充実に注力し、大型商業施設に出店している「ワークマンプラス」は高い評価を得ている。

その強烈なライバルになりそうなブランドがフランスから日本に上陸した。スポーツ用品の開発販売を行う「デカトロン」である。兵庫県西宮市に2019年3月末に日本1号店をオープンしたとのことなので、早速行ってみた。

・阪急西宮ガーデンズにオープン

お店は、開業10周年にともない大型リニューアルを実施した「阪急西宮ガーデンズ」にある。デカトロンは世界50カ国以上で事業展開しており、日本でもネット通販を行っている。西宮の店舗に行ってみると、お店にたどり着く前に阪急西宮ガーデンズの広さに驚いてしまった。さすが西日本でも屈指の広さを誇る商業施設である。


あまりの広さにデカトロンを見つけられない……。施設の案内図を見ると、東モールのイズミヤの隣にあることがわかる。すべてがデカすぎて、サイズ感が良くわからないのだが、街中のホームセンタークラスの床面積はありそうだ。


入口の前にたどり着くと、大きなイメージ看板がお出迎え。これを見ると、スポーツ用品店であることがわかるのだが、中に入ったら日本の一般的な専門店とは全然違った。


・オリジナル商品が目につく

というのも、一瞬イケアに来たのかと錯覚してしまうくらい、とにかくデカくて品数が多い。スポーツ用品を探しに来たことを忘れてしまいそうになる。


競技ごとに商品は区分けされており、キャンプ用品やランニング関連商品、そしてクライミング・スイミング・サイクリング用品がメインの商材となっている。球技にも強く、サッカー・バスケットボール・テニス・卓球などの商品も数多く並んでいる。


それらのなかでも特に目を引いたのが、商品開発にも力を入れているデカトロンらしい商品だ。水中でも自然な呼吸をすることができるダイビング用のシュノーケリングマスク(4090円)。


格安を象徴する商品の10リットルバックパック。ネット通販では350円だったが、実店舗では390円で販売していた。40円高いけど、500円を下回ることに変わりはない。


初心者向けのランニングシューズは1890円。デザインのことを気にしなければ、練習用として十分使えるだろう。


極端に価格の安い商品はアチコチにある。ストレッチ用のボールは490円。


品切れ中だった、Mサイズのバランスボールは1190円となっている。


個人利用はもちろんのこと、小さなスタジオを経営する人にとっても、この価格設定は有難いに違いない。たとえば、ストレッチポールやヨガマット、ヨガブロックは必要な機材ではあるが、利用による劣化が激しく、消耗品の類である。せっかく数を揃えてもすぐに傷んでしまって、使い物にならなくなる。これらを安く購入できるのは有難いはず。


・気になるところ……

だが、安いがために気になることがある。

格安価格が安すぎるため、どうしても他の商品が高く感じることだ。格安商品は全体の一部であり、割合にして全商品の2割程度だろうか。その他のものは3000円台が全体の相場で、高いものは1万円や2万円台のものも少なくない。

スポーツ用品店で3000円のシャツといえば、そこまで高くはないはず。だがここでは、数百円の商品が目立ってしまって、かえって高く感じてしまうのだ。店のPRに格安商品は一役買っているけど、商品を販売するうえでは少々デメリットがあることも否めないだろう。


・ワークマンと比べると

では、ワークマンプラス効果で飛ぶ鳥を落とす勢いのワークマンと比べるとどうなのか。個人的には、ユニクロなどのファストファッションと比べてもかなり高い機能性のワークマンに対し、日本に進出したばかりのデカトロンがどこまで勝負できるかと見ている。

なお、ワークマンはデカトロンをライバル視。HP上で「4000億円規模の低価格アウトドアウェア市場で当社と競合するのはフランスのデカトロン社だけ」とその存在を認めているので、競争は激化していくことだろう。

ともあれ、最終的に決めるのはお客さん。消費者としては安く質の高いものが手に入るのは嬉しいので、さらなる競争をして欲しいところだが勝つのは果たして。

参照元:ワークマンHPデカトロンオンラインストア
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

モバイルバージョンを終了