本日3月14日はホワイトデー。バレンタインで女性にチョコレートをもらった男性がお返しをする日である。これまでチョコをほとんどもらったことがない私(中澤)にとって、この日は言わば無関係の日だった。だがしかし、2019年の私は違う。
そう、今年のバレンタインに初めて本命チョコをもらったのである。そこで、お返しに36才にして初めてクッキーを焼いてみることにした。
・お返しを何にするか?
これまでの苦い思い出もあり、もはや忘れていたバレンタイン。当日、ネットで募集した彼女・子安辺美々さんに、人生で初めて本命チョコをもらったのは以前の記事でお伝えした通り。
お返しをしなければならない。しかし、何を返したらいいのか? 美々さんのチョコも手作りだったし、できれば購入したものではなく手作りのお菓子を返したい。
・ヘルシーなクッキー
と言ってもお菓子を作ること自体初めての私。何か簡単に作れそうで気の利いたものはないか? ネットで検索していると『S&B』の公式サイトにこんなレシピが載っていた。
「簡単!シナモン入りリンゴとクルミの豆腐クッキー」
豆腐で作るというこのクッキー。材料(4人分)は「ホットケーキミックス(100g)」「木綿豆腐(50g)」「りんご(2分の1個)」「クルミ(15g)」「シナモン(適量)」のみだ。ちなみに、公式サイトで紹介されているレシピは以下の通りだった。
1. ホットケーキミックスと豆腐を混ぜ、細かく切ったりんごと砕いたクルミ、シナモンを混ぜます。
2. 16等分した生地を丸めてつぶして平らにし、クッキングシートを敷いた鉄板に並べます。
3. 170度のオーブンで20分ほど焼きます。
──調理時間は30分。驚いたのは水もバターも牛乳も使わないこと。クッキーの味になるのか? いや、そもそも生地がちゃんとまとまるものなのか? 想像が全くつかないが、美々さんは健康志向なのでこのヘルシーさは良いかもしれない。というわけでこれに決めた!
まずは、具材を混ぜるために鍋に入れる。
焼く前のクッキーと言えば、ペースト状というイメージがあるが、水などを入れずにああいう生地ができるものなのだろうか? 半信半疑で混ぜていると……
もったりした感じになってきた! SUGEEEEE!!
早くも豆腐のポテンシャルを思い知らされた気分だ。一気にできそうな気がしてきたぞ。そこで、オーブンから天板を取り出しクッキングシートを敷いて、小分けにした生地を並べてみると……
オーラが出始めた。完全に焼かれる前のクッキーである。もはや焼くだけという感じ。なんだクッキーって作るのが難しいって聞くけど意外と簡単やん。さっそく、オーブンを温め天板をIN! イッケーーーーーーー!!
電子レンジ「チーン!」
出来た!! 20分レベルでオーブンを動かし続けたことがなかったため、どうなるか若干不安だったのだが、10分を超えた辺りから焼き色がつき始めると共にクッキーの匂いが漂い始めた。取り出してみると……オオオ!
完全にクッキーやん!
豆腐で作ったと思えねェェェエエエ!!
・味見
少し冷まして完成。前述の通り、見た目と立ち込める香ばしい匂いは完全にクッキー。しかしながら、途中で味見ができないのが怖い。はたして、中身もしっかりクッキーしているのか? 食べてみたところ……
口の中に広がるリンゴの甘み。シナモンがクッキーっぽい香りを醸し出し、ちゃんとスイーツの味になっている。ただ……
なんか……ベチャっとしてる……。
外側はカリカリなのだが中身が湿っている。中だけホットケーキという感じの食感は、強引に例えるなら濡れせんべいに近い。
材料のグラムを計らずに目分量だったのがマズかったのか? それとも、最初の10分まで間違えて150度で温めたことが原因か? いや、ひょっとしたら豆腐は水切りをしなければいけなかったのか? それとも、そもそもこれが正解? 全く分からないが1つだけ言える。イメージのクッキーとは大分違う。
・手作りお菓子はありがたい
「ちょっとぐらい違っても大体あっていればそれなりにできるだろう」そんな気持ちではお菓子作りは成功しないのかもしれない。舐めていた。お菓子を手作りするという行為が、ここまで繊細で失敗しやすいものだったとは。
バレンタインの季節になると、「手作りは重い」「本当にありがたいのか?」というニュアンスの声もあがる。だが、これだけめんどくさい作業をするほど人を想えるのは、プライスレスで奇跡的なことではないだろうか。個人的には、その気持ちはやはり「ありがたい」ことだと思う。
とは言え、今回は失敗してしまったため、一応店でも何か買って渡そうかと思う。残念。
参照元:S&B
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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