スパ! 今回はな、ちょっとマジメな話をしておこうと思う。というのもな、つい先日。具体的には先月末、ちょうどゴー(羽鳥)がオレの住むアンボセリに遊びに来る3日前のことだったんだが、オレらの村で、悲しい事件があったんだ。
何が起きたのかというと、オレらの村に住む少年(14)が亡くなった。野生の象、いわゆる野良ゾウに殺されたんだ。彼はサバンナの茂みでヤギを見てた(世話してた)という。そんな最中、野良ゾウに出会って、運悪く命を落とした。
おそらく皆は「どうして14歳の少年が逃げられなかったの?」と思うだろう。だが、それは象の真の実力を知らないが故(ゆえ)の発言だ。実は象、本気で走ったらメッチャ速い。マジだ。一説によると時速40kmにまで達するという。
そんな超速の象に狙われたら、さすがのオレでも逃げ切れるかどうかは自信がない。ということで、みんなに絶対に忘れないでほしいのは、「野良ゾウに出会ったら近づかない」ということと、「実は象はメッチャ速い」ということだ。
実は遠い昔(2017年11月15日)にも、「意外と知らない野良ゾウの被害」なる記事で、野良ゾウの被害、ならびにスピードについて言及したことがある。
その記事には「このマサイ通信が始まってからも、実は野良ゾウによって人間の子供が2人死んでいる」とも書いたのだが、悲しいことに、今回の事件で3人になってしまった。そのくらい野良ゾウは恐ろしい存在ということだ。
後日、オレたちは集まって、彼の冥福を祈った。彼のことを忘れないように。なのでみんなも、野良ゾウの危険性を忘れないでほしい。特に「実は象は速い」ってことは忘れるな。
最後にオレからアドバイスだ。もしもサバンナで野良ゾウに出会ってしまったとしたら? 答えはひとつ。「音(声)を出さないよう、静かに走って逃げろ」だ。オレセリ。
Report:ルカ(マサイ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.