誰でも1つや2つ、好きな昔ばなしや童話があるだろう。幼い頃の記憶と一緒に、思い出すことができるはず。だが、私たちの記憶している物語と最近の物語は少々異なっているらしい。若干マイルドになっているとの噂を聞くのだが、本当にそうなのか?
気になったので、書店で絵本を買って読んでみた。すると、さるかに合戦(さるかにばなし)の物語はおおむね変わっていなかったが、登場するキャラクターが違った。アイツがいない!
・お馴染み三太郎
昔ばなしというと、最近はauの「三太郎」シリーズが好評で、桃太郎・金太郎・浦島太郎の物語に関しては、容易に思い出すことができる。
余談だが、当編集部のYoshioは桃太郎のお供の動物を答えられなかった。おそらく、彼のような特殊な人は、そんなにいないだろう……。
・さるかに合戦も変わっていた
さて、今回紹介したいのは、さるかに合戦である。真面目で正直なカニと、ずる賢いサルのお話。物語はほぼ昔と変わることなく、カニに意地悪をしたサルが、カニの仲間たちによって成敗されるというものだ。
私(佐藤)の知る話では、サルは成敗されていなくなるはずだったが、2017年発行の『日本昔ばなしアニメ絵本』(永岡書店)では、サルは改心してみんなと仲良くなるというオチである。
・カニの仲間
その中で、決定的に違う点がある。それは、カニの成敗を手伝う仲間だ。今、振り返ると、なぜアイツが仲間だったか、不思議でたまらないのだが、アイツがいないと逆にさるかに合戦ではない。私はそう思ってしまう。この絵本に登場するカニの仲間を紹介しよう。
サルの家の囲炉裏の灰の中に隠れるのは「クリ(栗)」。
水瓶の後ろに隠れるのが「ハチ(蜂)」だ。
屋根の上に控えるのが「うす(臼)」。
そして、家の入口に「○○○」が寝そべっている。
・Strategy to defeat monkeys
このオペレーションを仮に「Strategy to defeat monkeys(サルを成敗する作戦)」と名付けよう。私の知っているアイツは、この本のなかには出て来ない。アイツの代わりに、違うモノがアイツの役割を担っているのである。アイツが果たす役割を説明するために、このオペレーションの手順を確認しよう。
1.クリが囲炉裏から飛び出して、サルに火傷を負わせる
↓
2.水瓶に駆け寄ったサルをハチが刺す
↓
3.戸外へ逃亡を図るサルを、○○○が滑らせて足止めする
↓
4.うすが屋根から落下して、サルを完全制圧。ミッションコンプリート
要になるのは3番の足止めだ。ここで逃亡を食い止めないと、サルを完全に成敗することは不可能だ。
・まさかの海藻!!
私が子どもの頃に読んだ絵本では、この重要な役割を果たしたのは「牛の糞」である。
滑るといえば牛の糞である。牛の糞が登場するからこそ、この物語がキラキラと光り輝くというのに、最近のさるかに合戦で、サルを滑らすのは……
コンブ(昆布)!!!!
コンブだと! コンブ!? コンブはないだろ! コンブしゃべんないだろ。滑るっていっても牛の糞ほどじゃないだろ!
…………あ、牛の糞もしゃべんないわ。よく考えたら、牛の糞が初期設定なのがおかしいな(笑)。
という訳で、さるかに合戦に限らず、昔ばなしは “昔” とちょっと変わっているので、絵本を読むのも楽しいよ。ついでに、『あかずきんちゃん』も気になっていたのでチェックしてみた。狼の腹を割くはずだったんだけど、さすがにそこは変えるかな? と思ったら……
狼の腹を割く内容は変わっていなかったぞ。