なんだか全くスムーズにことが運ばない「2020年東京オリンピック」。なんだかしょっちゅう何かしらで炎上気味に感じるのは筆者の気のせいだろうか? 早速ビッグニュースになっている「フランス当局がJOC竹田会長捜査開始」の一報。
突然のフランス当局にびっくりされた方は結構多いようす。フランスつながりで、今世間を騒がせているゴーン前会長関連に対する報復を勘ぐる声も出てきている。いやいや、実は竹田会長って、結構前からフランスの検察に目をつけられていたんですよ。折角なので簡単にまとめましょう!
・少なくとも2016年5月から
そもそもフランスの検察が竹田会長に目をつけていることが明らかになったのは、実は2016年の5月半ば。このことは、英メディア「The Guardian」がスクープにしてすっぱ抜きました。
その後しばらくの間「The Guardian」側は少しずつ情報を小出しに。立て続けに竹田会長の汚職疑惑についての記事を報じていました。その中に、フランスの検察が捜査している件も含まれていたのです。
この報道にフランスが本拠地のAFP通信社が続き、そして世界中のメディアで報じられた感じだったかと思います。ということで、フランス当局が竹田会長に目をつけていたのは、少なくとも「The Guardian」がスクープにする2016年5月よりも前からでしょう。
・竹田会長の前にIAAF前会長がフランスの捜査対象に
ではなぜフランスが竹田会長を? ということですが、フランスの検察による国際オリンピック委員会(IOC)に対する捜査は、2016年よりもっと前から始まっていました。
そもそもの捜査対象は竹田会長でも東京オリンピックでもなく、1999年から2015年まで国際陸上競技連盟の会長に就任していたラミーヌ・ディアック氏。彼は1999年からIOCの委員に就任しています。
このディアック氏はIOCに入る前に、アディダスと電通が設立した「インターナショナル・スポーツ・アンド・レジャー」という、すでに経営破たんした会社から賄賂を受け取った過去があります。
こんな経歴ですから当局から睨まれないはずもなく……またディアック氏も懲りていなかったのでしょうか? 2015年には、フランス当局がディアック氏をドーピング関連の贈収賄容疑で捜査対象にしていることを明かしました。
・ディアック氏から芋づる式に…?
そして2016年にフランスの検察が竹田会長に目をつけたのも、やはりディアック氏関連。当時の「The Guardian」のスクープ記事では、竹田会長からディアック氏に関連するシンガポールの銀行口座におよそ200万ドル、日本円にして合計で約2億円にものぼる2度の送金があったことを、フランスの検察が掴んだと報じています。
常々汚職問題がついて回っており、恐らくはずっと捜査対象だったディアック氏。彼から芋づる式に「2020年東京オリンピック誘致」に関する不審な点にたどり着いたのではないかなぁというのが筆者の見解。ゴーン氏は関係ないでしょう。
ちなみにフランス当局、ディアック氏を徹底的に追い詰めるつもりか、延々とパリにて自宅監禁しています。今になってフランス当局が竹田会長を公開捜査に踏み切ったのは、「これから調べる」というより「もう大体確信を得ている」から公開したんじゃないかなぁ……。
折角のオリンピックだというのに、一体どうなってしまうのか。今はとにかく続報を待ちたいところ。ところで竹田会長、フランスといえば夏から秋にかけてがメジャーですよね。でも、冬も夜が長いのでライトアップされたエッフェル塔や凱旋門をたっぷり楽しめます。ちょっとパリ旅行なんていかがです?
参照元:The Guardian(英語) [1] [2] [3]、JOC
執筆:江川資具