例えば、マイクロソフトの女子高生AI「りんな」のような “チャット型AI” が普及して久しい。そのボキャブラリーは年を追うごとに豊富になっており、人間よりも上手な切り返しをすることもしばしばである。iPhoneのsiriなどを含めたAIの進化は、とどまることを知らない。
当然ながら、多くの企業がAIを取り入れており、中にはAIを活用する自治体も出てきた。いま話題になっている東京都墨田区の『ごみ分別AI』も、なかなか秀逸な切り返しをするのでご紹介しよう。
・23区で初の試み
墨田区が2018年10月に開始した『ごみ分別案内ボット』。これは東京23区では初の試みであり、AI応対のため「24時間いつでも回答を得られる」ことが最大のメリットだ。
使い方は非常に簡単で、アプリをインストールする必要もなければIDを作る必要もない。該当ページにある猫のアイコンをタップすれば『ごみ分別AI猫』とのチャットスタートである。あとは分別がわからないゴミの種類を打ち込めばOKだ。
まずはスタンダードなところから「瀬戸物」と打ち込んでみると……
「出したいものが食器(陶器・ガラス製)なら、分別方法は燃やさないごみだよ。陶磁器製食器は、別袋に入れて出してね」
……と教えてくれた。うむ、普通に会話ができているから『ごみ分別AI』として合格だ。そして次に話題となっている「上司」と打ち込んでみると……
「嫌な上司に何かを期待するのはやめたらどうかな。そう、期待を捨てる」
……ほう。なかなか上手い切り返しではないか。確かにこの場合、期待を捨てるのが一番いい気がする。
ちなみに「彼氏」「彼女」「家族」「部下」「思い出」「プライド」「命」などでも違った答えが確認できた。詳しくはご自身でご確認いただきたいが、以下で「過去」の返答をご紹介しよう。
「過去が現在に影響を与えるように、未来も現在に影響を与えるってニーチェは言ったそうだよ」
まさか、伝説の哲学者・ニーチェまで引っ張り出してくるとは……! 墨田区のごみ分別ボット、おそるべし。
ともあれ、こうしたユーモアを兼ね備えたAIを地方自治体が活用することは、非常に素晴らしい試みではなかろうか。将来的には多くの自治体で導入される予感大である。
参照元:墨田区「ごみ分別案内チャットボット」
執筆:P.K.サンジュン
ScreenShot:ごみ分別案内チャットボット(iOS)
▼全然関係ないけど、墨田区には「青いラーメン」があるぞ。しかもウマい。