近年ネットやメディアで取り沙汰されている絵本の萌え絵化。アニメのような絵柄の絵本が本屋に並ぶことについて、「子供に悪影響」「児童書にふさわしくない」といった声もあがっている。
そんな絵本萌え絵論争に、アニメ風の『にんぎょひめ』などを出版している河出書房新社が回答しているためご紹介したい。「『萌え絵を描いてください』とお願いしたものではなく……」
・アニメ風の絵本
河出書房新社が出版している「せかいめいさくアニメえほん」シリーズは、美麗なイラストで『にんぎょひめ』『しらゆきひめ』などを綴ったもの。その名の通りキラキラしたアニメ風の絵柄がまぶしい。
・出版社がツイート
「なぜ萌え絵にしたのか」という質問が多く寄せられるという本シリーズ。だが、この質問に出版社は困惑しているという。なぜなら、作家さんへの発注は「萌え絵を描いてください」ではなく……
「子ども自身が飛びつく絵を」
──というものだからだ。要するに、子供が飛びつく絵が一部の大人にとって「萌え絵」と映ってしまっているだけなのである。これは時代の流れかと思うが「児童書にふさわしくない」のだろうか?
この問い合わせについて何度説明しても分かってもらえず、担当者も苦慮しているとのこと。なお、本シリーズのイラストを描いているのは『プリキュア』シリーズの上北ふたご先生である。
個人的にはどういった部分で「悪影響」なのか分からないこの絵本。最後に河出書房新書の以下のツイートを引用し筆を置きたい。
「萌え絵も出版人としては『萌えさせよう』という意思で描かれたなら立派な作品だと考えます。その点でいうとこのシリーズの作家さんは『子どもが喜ぶ絵を』という意図を見事達成されました。心より感謝します」
参照元:Twitter @Kawade_shobo
執筆:中澤星児
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▼出版社も騒動に困惑
絵本萌え絵論争が囂しいですが、弊社の「せかいめいさくアニメえほん」は作家さんたちに「萌え絵を描いてください」とお願いしたものではなく「子ども自身が飛びつく絵を」という発注のため「なぜ萌え絵にしたのか」としきりと質問され困惑、担当者も何度説明しても理解してもらえず苦慮しています。 pic.twitter.com/KqhLzAj2vJ
— 河出書房新社 (@Kawade_shobo) November 8, 2018