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大谷翔平はどうスゴいの? 野球にあまり詳しくない人にも分かるように説明してみた

2018年10月2日

投手として4勝2敗防御率3.31、打者として打率.285、326打数93安打22本塁打。これはメジャー1年目の大谷翔平選手(エンゼルス)が残した成績である。シーズン終盤こそ肘の故障で打者に専念したが、活躍は日々ニュースで報じられてきた通り。ホームランを量産して、打者・大谷のポテンシャルを見せつけた。

特に8月以降は凄まじく、メジャーリーガーも顔負けの強打者ぶり。ネット上では「まーた、大谷が打ったのか」なんて声も聞こえたように、ホームランを打つのが当たり前になっていた。改めてスゴさを考えてみると震えが止まらないファンは多いはずだが、野球に詳しくない人はこうも思うだろう。オオタニサンはどうスゴいの? って。

・震えるくらいスゴいポイントが3つ

オオタニサンのスゴさを分かりやすく説明するなら大きく3つ。個人的には “スゴさに震えるポイント” がある。まず1つめは年齢だ。すでに野球選手として完成されているような感じもするが、24歳と中堅というよりは若手。つまり、まだまだ伸びしろがあるのだ。

24歳といえば、社会人としては新人も同然。これからいろんなことを学んで成長していくものだが、大谷選手は野球選手としてほぼ完成地点にいながらも天井を突き抜けて右肩上がりの成長曲線を描き続けている。お笑い界で例えるなら、トップに君臨する重鎮が24歳でコンティニューしてきたと思ったら分かりやすい。それなのに……!

活躍を見ていたら、絶頂期はまだ先にあるとしか思えないのだ。もうこうなってくると、無限の可能性があるから震えが止まらない。だからこそ野球ファンは一挙手一投足に注目し、話題になっている。それくらい、オオタニサンは誰も見たことのない世界を常に見せてくれる唯一無二の存在なのである。

・漫画のような能力

2つめのポイントは「漫画」。というより、漫画でも描けない。オオタニサンはどれだけ作者が主人公を完璧にしようとしても描けないくらいの能力を持っている。野球はプロの舞台に進んだら、打者と投手のどちらかに専念するのが「当たり前」だと言われていた。

しかし、オオタニサンは常識を覆す両取りの二刀流を選択し、どちらでも世界レベルの能力を兼ね備えるまで成長している。これまたお笑いに例えると、ボケもツッコミも超一流。しかも、司会もこなして、どんなに難しいゲストが来ても対応できてしまう。

野球に話を戻せば、フォームを変えてもすぐ適応。苦手と分析されていた左腕投手も、打席を重ねるとキッチリ対応してみせた。もちろん、海を渡る約1年前まで試行錯誤はあったが、新人(メジャー)1年目でこれ以上ない結果を残したから辛口評論家も手のひらをクルッとひっくり返すことになった。

・比較の対象が伝説

そして3つめは、比較対象がいないことである。大谷選手はダルビッシュ投手、打っては松井秀喜氏やイチロー選手といったように、そうそうたる名前と比べられてきた。しかし、気がつけばどうだろう。打席数が少ないながら更新した日本人のホームラン記録といい、猛者(もさ)が揃うメジャーリーグでも比較がいなくなってしまった。

唯一、比較できるのは約100年前にプレーしたレジェンド二刀流の「ベーブ・ルース」くらい。オオタニサンは長い長い月日を経て、ようやく現れた「天才」なのだ。そう考えると、毎試合が歴史の目撃者になっている。もう「大谷翔平と同じ時代を生きているのが幸せなこと」と言っても決して過言ではない。

・打者としてどこまで飛躍するのか

もちろん、この先のどこかでオオタニサンのあとに続く才能が現れる可能性はゼロではない。でも彼を超える選手が現れるかというと、確率は限りなく低い。なにせ100年ぶりの逸材。大谷選手のようなスペシャルワンを見ることは、もしかしたら人生で一度きり……今の時点でも孫の代にまで語る選手なのだ。

負傷した肘のトミー・ジョン手術をすることで、来季は打者専念。残念ながら二刀流の姿は見られないが、打者・大谷はどこまで飛躍するのだろう。本記事で1人でも多くの読者が、オオタニサンそして野球に興味を持ってくれたら幸いだ。

執筆:原田たかし
イラスト:稲葉翔子

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