初代「アップルウォッチ」が発売開始されたのは、今から3年前の2015年4月のことだ。それ以来、私(佐藤)は初代を使い続けていたのだが、ついに天に召されたようである。最近あるアプリをiPhoneにインストールしてから様子がおかしくなり、それ以降充電できない状態に陥った。アプリが問題かどうかは定かではないのだが、私はこれも運命と受け入れ、修理を行わないことにした。

この機に新しいモノを購入しよう! そう思い、アップルウォッチよりもはるかに安い価格で買える激安スマートウォッチを買ってみたところ……まあ値段なりの性能だった訳だが、それ以上に専用アプリや説明書の日本語表記が気になって気になって仕方なくなってしまった!

・購入した激安スマートウォッチ

私が購入したのは……


「スマートウォッチ 防水 スポーツウォッチ 最新版 Bluetoothの時計 心拍計 血圧計 歩数計 腕時計多機能カラースクリーン 活動量計 消費カロリー 睡眠検測 電話着信Lineメール 通知目覚まし時計 長い待機時間 Android&ios iphone日本語対応 (レッド) 」


という製品らしい。正式な製品名は説明書にも記載されていないのでよくわからない。購入時の価格は3999円。アップルウォッチよりもずっと安い。これが本当に一般的に認識されるスマートウォッチとして機能するのか? それすらも怪しい。とにかく購入した。


・スマートウォッチじゃない?

商品が届いたのは、注文した翌々日の午前。アマゾンで購入した時は、翌日の午前の便で来るはずだったのだが、購入直後にその時間がシレっと変わっていた。それだけでも十分不満なのだが、まあ届いたからヨシとしよう。


来たな、格安スマートウォッチ。と思いながら、箱の側面を見ると……


スマート……、ブレスレット?


さりげなく誤魔化している感じが否めないが、とにかく製品を手にとって見てみよう。本体にはボタンの類は一切なく、裏面にはセンサーと充電用の端子が覗いているのみだ。つくりはとてもシンプル。


ちなみに、購入前はMicroUSBケーブルで充電するとばかり思ってたら、専用のケーブルを使用するようだ。実にわずらわしい……。


・専用アプリが必要……

それにしても、肝心の起動方法が分からない。どうしたものかと、英語の説明書と購入者のコメントを参考にした結果、手元に届いた段階では「充電がほぼゼロ」だということが分かった。また、設定には専用アプリが必要とのことだったので、説明書にあるQRコードを読み取ってアプリをインストールしてみた。

う~ん、「MADE IN CHINA」製品の専用アプリを、スマホに入れるのはすこぶる不安である。だが、仕方がない。


デバイスの充電待ちの間に、アプリで設定を行う。最初にユーザーの身長や体重などのプロフィールを入力。これは、活動量を計測するために必要な項目だろう。


次に「デバイスを追加する」で、ペアリングを実行。これでデバイスの細やかな設定をスマホで行うことができるようになる。


・測定の精度は不明

このデバイスや活動量や消費カロリー、血圧、心拍数、睡眠時間の測定などが計測できるそうだ。


そのほかにも音楽アプリの操作、カメラの遠隔シャッターも利用できる。今回購入するに当たって、私が必要としていたのはこの遠隔シャッターだけだ。時計はアナログの文字盤のものを選択できる方が良かったので、このデバイスを選んだ。


という訳で、活動量をはじめとする測定機能は、一切あてにしていない。むしろ、この値段で信頼性の高い測定結果が得られるとは到底思えない。きっと気休めにもならないので、しっかりとデータを取りたければ、ほかのデバイスを購入した方がいいだろう。

一応アプリには、デバイスで測定した数値が表示されるものの、その精度はいかほどか!? などと思いながらアプリをいじくっていたところ……!


・壁紙を変えられる! がッ!!

壁紙を選択できることに気が付いた。しかもなんと! 3種類もある!!


アナログの文字盤のほかに、デジタル表示が大小2種。さらに驚いたのは、小デジタルの背景は、オリジナル画像に編集できる! 結構やるなッ!! ということで早速背景デザインを変更してみることに。

時計の表示位置や、時計の色まで変えられるのか~。そう思ったのだが、画面上部をよく見ると……


「キャンセル」と「イタリア」とある……

……

……

……


イタリア!!!!!!


なんだイタリアって。イタリアってあのイタリアのことか? 壁紙をオリジナルに変えると、イタリアか? そうか、イタリアか〜。う~ん、どういう誤訳なんだ……。わからん! 全然わからん!! 「保存」のことを指しているのか、そとも「完了」を指しているのか。うう、う~ん……。

とりあえず、この画像でイタリアしてみたら、デバイスの画面は指定の画像に変わったけど、時計の色は変更できない。位置の変更に挑んだが、位置も変えることはできなかった。画像をイタリアすることしかできないらしい。


・ペアリング解除すると

さらにアプリを構っている間に、2度もファームウェアのアップデートを要求してきた。これはますます怪しい! このアプリをスマホに入れたままにしているのがマズイ気がしてきたので、一旦デバイスとのペアリングを解除しようとしたら……次の表示が!



「本気ですか?」



「本気(マジ)ですか?」


残念ながら、本気(マジ)です。一旦ペアリングを切った後に、アプリをアンインストール。これでちょっとだけ安心した。再接続できなかったらまたアプリを入れないといけないのだが、ペアリングしてカメラの遠隔シャッターに挑むと、問題なく使えた。ああ、これでいい。これで十分だ。


・厚かましいにもほどがある!

とりあえず、ただの腕時計として使って行こう。たまに自撮り用のシャッターとしての使えれば申し分ない。あらためて箱の中を見てみると、片言の日本語で挨拶めいたものが書いてある。


怪しい日本語ではあるが、言いたいことはよくわかる。なぜ、リターンを示す矢印まで印字されてるんだよ。ワープロで打ったのかよ。

何より気になったのは、後半の一文だ。



「製品に悪いコメントを残してはいけません」


だが、断る!


参考リンク:Amazon
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
Screenshot:iOS「Da Fit」