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もし地球が大きなブルーベリーの塊になったらどうなる? オックスフォードの研究者がガチで計算したら…驚愕の展開になった

2018年8月13日

もしも地球が、同じ大きさのブルーベリーの塊になったらどうなるの? このぶっ飛んだ疑問が投稿されたのは、海外サイト「Stack Exchange」。日本で言えば、「Yahoo!知恵袋」や「教えて!goo」のような質問投稿サイトだ。

適当な返答ばかりが集まって終わるだけになりそうだが、今回は違った。なんとオックスフォード大学の研究者がガチで検証。さらには論文まで執筆し、2018年7月27日にコーネル大学図書館が運営する論文サイト「arXiv」にて公開した。果たして地球がブルーベリーになったら……その驚愕の展開を紹介するぞ!

・ブルーベリーガチ勢か

ガチ検証を行ったのはオックスフォード大学の研究者Anders Sandberg氏。オリジナルの質問は以下のとおり。


“Supposing that the entire Earth was instantaneously replaced with an equal volume of closely packed, but uncompressed blueberries,
(地球が今と同じ体積のまま、ぴったり密着した、ただし圧縮はされていないブルーベリーに置き換わったら)

what would happen from the perspective of a person on the surface?”
(表面にいる人間的に何が起こるの?)


質問者がこんな疑問を抱いた経緯については理解不能だが、とにかくブルーベリーへの情熱は感じる。そして「密着した」や「圧縮されてない」といった所に漂うガチ勢感。

これに答えるにあたり、Sandberg氏は計算に使用するブルーベリーをVaccinium corymbosumというブルーベリーに特定。こちらも質問者に負けないガチ勢っぷりだ。

論文では最初から怒涛の計算が始まるのだが、記者には難しすぎて理解不能。数式の所は飛ばしてわかりやすい解説部分だけ見ていこう。

・重力が87%ダウン

Sandberg氏によると、ブルーベリーのカタマリと化した地球に住む人々が一番最初に感じる変化は急激な重力の低下だそう。

これは、地球がブルーベリーに置き換わったことで密度が低下するため。もし地上にいる人の体重が68キロなら、体感上はいっきに9キロにまで軽くなるのだとか。その瞬間はエレベーターが下っていく時の感覚に似ているとしている。

・熱いブルーベリーアイスのコア

それだけで済むならそう悪くなさそうだが、当然ヤバい展開が待っている。まずは地球を構成するブルーベリーが自身の重力により、星の中心部に向かってどんどん圧縮されていく。

それにともなって星全体が超高温となり、ブルーベリー同士の隙間の空気は地表に向けて吹き上がる! つまり、星全体が完全に茹で上がったブルーベリージャムになっていき、地表からぶくぶくとすごい勢いで空気が噴出してくるのだ。

もちろん星のサイズそのものもどんどん小さくなり、地表にあるものはすべて715キロも落下することになる。Sandberg氏の試算では、ここまでのプロセスには1時間程度かかるそうだ。

ようやく全てが落ち着いた時、地球は高温のブルーベリーアイスとなったコアをブルーベリージャムの海が覆いつくす、水蒸気の大気をまとった星になっているとのこと。

ここで「高温のブルーベリーアイスって何だよ?」ってなる方も多いと思うが、超高温高圧下では「熱い氷」ができるのだ。これについては岡山大学がわかりやすいプレスリリースを出しているので、そちらを参考にして欲しい。

・空には疾走する月が

この時点で生き残るのは相当ハードモードに思えるが、なんとか生存できれば最後にドラマチックな天体ショーを見ることができるらしいぞ。引力が急激に低下することで、月が地球の束縛から放たれてどこかに飛んでいってしまうのだ。

・ブルーベリー好きならアリなのか?

論文中ではこの他にも、ブルーベリーの成分から予測される発酵についてや、大気についてなど滅茶苦茶詳しく書かれている。興味のある方は読んでみるのもいいだろう。

ということで、地球が全て同じ体積分のブルーベリーに置き換わった場合、多くの人にとっては少し難易度が高い展開が待ってそうだ。最終的には濃厚なブルーベリーフレーバーに包まれたブルーベリーまみれの生活が待っていると思われるので、ブルーベリーフリークならアリなのかもしれない。

参照元:arXiv.orgLivescience.com(英語)、岡山大学
執筆:江川資具
Photo:Wikimedia Commons.

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