これで一連の騒動に決着が着くのだろうか──? 2018年8月3日、いわゆる「悪質タックル問題」について日大のトップ『田中英寿』理事長が、初となる声明文を同大学のホームページ上に掲載した。
「学生ファーストの理念に立ち返って」と題された文章を読んでみると、反省の言葉がズラリと並んでいるから “謝罪文” と捉えて間違いないだろう。だがしかし、あくまで田中英寿理事長は「知らぬ存ぜぬ」を貫き通すかのようにも見えるため、ネット上からは厳しい声が多く挙がっている。
・これまでの経緯
日本中の注目を集めた「悪質タックル問題」が発生したのは、今年5月のこと。加害選手の記者会見は多くの人の胸を打ち、そして被害選手の父が加害選手の減刑を願う署名活動に取り組んだことも記憶に新しい。
また、内田監督や井上コーチの記者会見には容赦のない批判が浴びせられ、結局2人はアメフト部を去った。その他、記者会見の進行を担当した日大広報部司会者の言動や、江戸っ子おばあさんの乱入など、2018年上半期を振り返ってみても「悪質タックル問題」が日本中を巻き込んだ一大トピックであったことは間違いない。
・田中理事長の声明文
この問題は第三者委員会に委ねられ、つい先日報告が出たばかりである。この間、田中理事長は沈黙を貫き通しており、今回の声明文で初めて自身の見解を公にした格好だ。一部を抜粋してお伝えしよう。
「第三者委員会の報告書にあった “日大において学生ファーストの精神が見失われていた” という言葉が心に突き刺さった」
「第三者委員会、アメリカンフットボール部の前監督とコーチによる反則行為の指示があったことを認定している。誠に遺憾というだけでは、済まされない行いだったと思う」
「報告書の中では、あるまじきことか、元理事でアメリカンフットボール部のOBによる口封じがあったことが示されている。いかなる理由があろうとも、断じて許されないこと。なぜこんな卑劣な行為があったのか、驚愕と激しい怒りがこみ上げてきた」
「大学運営のトップである理事長として、教学のトップである学長と歩を一にして、これらの改革に取り組んでいく覚悟」
第三者委員の言葉を真摯に受け止めるとしながらも、暗に「自分は全く何も知らなかった」という立場は崩していない。それどころか口封じについては「驚愕と激しい怒りがこみ上げてきた」としている。もちろん辞任するつもりはなく、理事長として改革に取り組んでいくようだ。
・ネットの声
「白々しいにもほどがある」
「三文芝居ってこういうことを言うんですね」
「THE茶番」
「こいつ本当にわかってないな」
「来年の受験者数がどうなるか楽しみですね」
「せっかく日大が生まれ変わるチャンスだったのに……」
「私は知らなかった、って言いたいだけの声明文ですね」
「口封じが卑劣とか言っちゃってるよ……」
「これで逃げ切れると思ってるところがヤバい」
「学生たちがかわいそう。他の大学に転入できるといいな」
ネットの声を見る限り「田中理事長を支持する」といった声はほぼ皆無で、厳しい意見ばかりが目についた。歴史ある日大は今後どうなっていくのか? 今回、田中理事長が下した決断が “日大ブランド崩壊” のトドメにならなければいいのだが……。
参照元:日本大学「学生ファーストの理念に立ち返って」
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Wikimedia Commons