全国各地には、地元民に愛される「ご当地グルメ」が無限に存在している。なかでも強烈なインパクトを放つメニューは、徐々に知名度を上げ、地域を代表するレベルにまで出世するのだろう……たとえば、岡山名物「えびめし」のように。
つい先日、JR岡山駅で新幹線待ちの時間を持て余していた筆者は “どんな味か一度食べてみられぇ~” と書かれた「岡山ご当地B級グルメ えびめし」の看板を発見した。え、えびめし? おいおい聞いたことないぞ……ということで、パパッと食べてみることにした。
・第2の故郷・岡山
筆者にとって岡山県は特別な場所である。10年以上お世話になった会社の本社があり、岡山市内には約9カ月住んでいた。居酒屋では必ず「ままかり」を注文し、桃太郎の仲間入りをするレベルで「きび団子」を食べまくったのだが……えびめしって何? である。正直、悔しい。
ちなみに、駅構内で発見した山陽新幹線公式キャラクター「カンセンジャー」も知らなかった。なんでもカンセンジャーは、地球の平和を守るために宇宙の彼方からやって来て、普段は新幹線の車掌をしている……という意味不明な設定のヒーローだが、これからも頑張って地球を守ってくれよな!
・カフェ「マスカット」
それはさておき、えびめしの看板を発見したのは、岡山駅の新幹線改札口を入ったところにある喫茶店『マスカット』だ。コーヒーでも飲みながら新幹線を待とうと思っていたわけだが、お店イチオシの「岡山ご当地B級グルメ」はスルーできないだろう……ということで店内へ。
さて、テーブル席に案内されるやいなやで「えびめし(750円サラダ付き)」を注文。一応メニュー写真を確認してみると……く、黒いな。キレイに盛り付けてある錦糸卵や海老はさておき、ライスが黒すぎる。おそらく個性的なビジュアルで出世したタイプの料理なのだろう。
・えびめし
そんなことを考えていると料理が運ばれてきた。ライスの見た目はまるでコーヒー豆だが……コクのある香りは食欲をそそる。メニュー写真と比べて海老の配置がテキトーなのが少し気になるが、まあOKとしよう。さっそく食べてみると、思ったよりもウマいなッ!!
なんというか、1口2口食べただけでは正直よくわからない味なのだが、食べ進めていくうちに独特の甘さと香ばしさがクセになる。個人的にはもっと濃厚な味が好み……だが、徐々に「これはこれでOK」となる不思議な味だ。見た目ほど重くないので、女性でも無理なく食べられるだろう。
一方、気にするほどのことではないが「えびめし」と名乗っている割に、海老のオマケ感はえげつない。つまり、店ごとの「こだわりポイント」は、ソースやケチャップ等を絡めて黒く仕立てたライスの味である。なんでも「えびめしソース」は店それぞれの秘伝なのだとか。
インパクト抜群のビジュアルに加え、なんだかクセになる岡山名物えびめし。岡山市内の喫茶店では定番メニューとして人気があるそうなので、機会があればぜひ1度食べてみてほしい。もちろん新幹線に乗る前にサクッと味わうのもOKなので覚えておいてくれよな!
店名 マスカット
住所 岡山県岡山市北区駅元町1-1-1(岡山駅新幹線改札内)
時間 7:00〜21:00
休日 日曜日
Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
▼ディスプレイのコーヒー豆とえびめしの色が同じ
▼ちなみにデミカツ丼も有名だぞ