ロケットニュース24

【体験記】ヤバいと言われる「大阪市の西成区」に家を買った理由

2018年5月31日

大きな買い物をする時は、清水の舞台から飛び降りるかのような決心が必要なことがあるが、それがマイホームの購入となったら尚更である。その際は、物件が予算に見合うか、地域の環境はどうかなども気になると思うが、かくいう筆者は3年半前に大阪市の西成区にマンションを購入した。

同区は、ホームレスがたむろする “あいりん地区” があることで知られ、大阪&関西の住人のなかには良い印象を抱いていない人が多いのではないかと思う。ヤバいと言われることもあるが、実際にはどうなのか。住み心地や周囲の環境について生のレポートをお伝えしてみたいと思う。

・西成区の場所は!?

まずは大阪や関西に住んでいない人のために、西成区がどの辺に位置しているのか説明することにしよう。

同区は大阪の中心街、グリコマークで有名な難波がある浪速区の南側に隣接し、観光客が多く訪れる通天閣に近いことでも知られている。ちなみに通天閣は「あいりん地区」の近くにあるため、少し通りを外れると路上でホームレスを多く目にするようになる。

・筆者が家を買ったのは住之江区に近い西成区

筆者が購入した西成区南津守のマンションは「あいりん地区」より南に位置し、どちらかと言うと浪速区より港が多い住之江区に近い場所だ。

筆者は他県出身ということもあり、西成区にマイホームを購入することに抵抗はなかったが、大阪出身者のなかには「やっぱり西成区は避けたい……」という人がいてもおかしくないと思う。

・西成区を選んだ理由は!?

では次に、西成区を選んだ理由について語ってみることにしよう。筆者は不動産賃貸&売買ウェブサイト「SUUMO」で物件を探したのだが、西成区は難波に近い市内なのに不動産が比較的安いな……という印象を持った。

場所が “西成区” だから不動産が安いのかどうかは不明だが、購入したマンションは76平米の3LDKで、キッチン&バスと内装全てリフォーム済みで1350万円(税込み)だった。

マンションにエレベーターがなく、最寄りの地下鉄駅(四つ橋線の岸里駅)から徒歩15~20分という条件も重なり、価格が低かったのかもしれない。だが、もっと駅から近くてエレベーター付きの西成区のマンションも、浪速区や梅田がある北区に近い他区より価格が安かったように思う。

・交通の便が良い!

また、交通の便が良いことも西成区を選ぶひとつの理由になった。車を所有していない筆者の移動手段は主に地下鉄なのだが、岸里駅から乗り換えせずに四つ橋線1本で、難波にも梅田にも行けてしまう。

難波まで6分、西梅田駅までは14分。しかも難波まで自転車で25分なので、春秋など気候が良い時期は運動がてら出かけることがほとんどだ。

・海が近い!

そして、なんといっても筆者が西成区南津守を気に入った理由は海が近いからである。自宅から自転車で3分のところに小さな港があり、渡し舟で向かいの大正区へ自転車に乗ったまま行けてしまうのが大のお気に入り! ちなみに、この渡し船は無料である。

木津川という名前で一応川なのだが、海が近くて潮の香りがプンプン漂っているので、筆者は勝手に海ということにしている。クロスバイクと一緒に渡し船で “海越え” をして、大正区に掛かる大きな「なみはや大橋」を渡り、海遊館がある天保山まで海を眺めながらの道のりは最高のサイクリングコースだ。

また、少し南へ下れば全国の住吉神社の総本社である住吉大社や大きな住吉公園もあって自然も多い。もはや筆者の近所には、抱きがちな “西成区” のイメージは1ミリも感じられないと断言できる。

・必要な店が揃いまくっている!

それだけでなく、あったら超便利な店が揃いまくっている点も大きく評価したいところだ。100均のダイソーをはじめ、業務スーパー、さらにはホームセンターと揃っている。

自称 “バルコニスト” の筆者にとって、「花や野菜の苗を買えるホームセンターが近い」ということはマンション購入時の条件のひとつだったが、今では満足のいく生活を送ることができている。

いろいろな物件をサイトでチェックして良さげなマンションの近辺をGoogleマップで確認したが、筆者の求める店がここまで揃った場所は、他区も含めて他に見つけることはできなかった

・幼稚園や小学校も近いぞ!

独身で子供がいない筆者には関係ないが、すぐ近所に幼稚園と小学校があるため家族持ちの人にも便利な場所ではないだろうか。マンションの目の前には子供が遊べる公園もあり、環境も良く夜は静かだ。

・結論は!?

結果的に、筆者は西成区にマイホームを購入して本当に良かったと思う。西成区といってもいろんな場所があるので妙な先入観を捨て、自分が求める条件やニーズを考量したうえで「これは!」と思う物件を見つけたら、とりあえず実際に足を運んで確認してみて損はないと思う。

Report:Nekolas
Photo:Rocketnews24.

▼こちらが大阪市の地図

モバイルバージョンを終了