東京に来たらあの食べ物がなかった! アレって地元だけだったの? 地方から上京した人なら一度は経験したことがあるだろう。
ある石川県出身者(30代)は、上京当時、東京にはある食べ物がないことに、いや、存在すら知られていないことに大きなショックを受けたのだという。それは『茶碗豆腐』。東京にないどころか県内にしかないと知り、ビックリしたのだとか。
もちろん関西出身の私(沢井)も知らなかったのだが、「あー知らないんだ。美味しいのに」と微妙に同情された気がした。そんなにスゴイものなの? 実際に食べてみることにした。
・上京したら『茶碗豆腐』がなかった
そう話すのは、石川県出身の30代だ。高校卒業後に、県北部の能登地方から上京、さまざまなギャップに驚いたというが、衝撃的なもののひとつが「夏になっても『茶碗豆腐』がどこにもない」ということだったという。
慣れない環境に戸惑っていた青年は、ますます実家に帰りたくなったとかならなかったとか。
・『茶碗豆腐』とは!
そんなに人の心をつかんで離さない『茶碗豆腐』とは一体どんな食べ物なのだろう。実際に食べる機会があったので報告だ。まず、茶碗というからには、茶碗型の豆腐なんだろうなーと思っていたら、その読みはアタリだった。
だがしかし!! ただそれだけじゃないのが茶碗豆腐! パカっと割ると、なんと中にカラシが注入されていたのである。知らずに食べたらロシアンルーレットじゃないか!?
・「石川県民は冷奴にカラシ」と聞いてはいたが
「石川県民は冷奴にカラシをつける」というのは、数年前に『秘密のケンミンショー』でやっていたので知っていたが、まさかデフォルトでカラシ注入済みとは思わなかった。
食べてみた感想は「おお、これはスッキリしたお味」の一言。豆腐の甘味とカラシのスッキリ感がよく合っている。そのままいってもいいし、醤油をかけてもいい。カラシに胃が刺激され、食欲が落ちる夏場でもパクパクいけちゃいそうだ。
なお、今回食べたものは、カラシが1カ所のみだったが、何個もカラシスポットがある茶碗豆腐もあるという。
・むしろ県一部地域のモノってマジかよ
さらに……である。調べると、このカラシ充てん型茶碗豆腐は元々能登地方のみに存在していたのだとか! 近年は金沢など加賀でも売られるようになったが、元は能登の夏の風物詩。
試しに20代前半の金沢生まれ金沢育ち2名に聞いたところ、「何ですかソレ?」という反応であった。
・ウマイので一度食べてほしい
いや~それにしても、こんな美味しいものとは思わなかった。そんな豆腐×カラシくらいで大げさな……と思うかもしれないが、「スーパーで30円くらいで売っている激安豆腐にカラシをつけた味」を想像しちゃいけない。
カラシの刺激と清涼感が豆腐に合うというのもあるが、それより何より地元の豆腐店が作っていることが多く、そもそも豆腐の質が量産型激安豆腐とは異なるのだ。水がウマイ地域って、豆腐も美味しいよねえ。コメもウマイよねえ、酒もウマイよねえ。そりゃ故郷も恋しくなるわな、と納得したのであった。
もし夏場に石川に行くことがあったら一度食べてみてほしい! 最近では金沢でも見かけるし、能登のスーパーなら間違いなく売ってるはずだ。ただ、購入の前にひとつ注意したいことがある。
能登民によると「最近はカラシ充てん型じゃなくて、別添えのものも売ってるから、よく見てから買ったほうがいいぞ」とのことだった。
Report、イラスト:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.
▼能登の夏の風物詩『茶碗豆腐』
▼どうせなら、「からし充てん型」を食べてみたいよね! 購入の際はよく確認しよう