あなたの人生の楽しみはなに? その答えは人によって違うはず。なら難病を患っている子供たち、幼い頃からつらい治療に耐え、人よりも命について思いをめぐらせる機会が多いであろう子供たちは、どんなことを楽しみにしているのだろう?
この度、1人の小児科医が難病と闘う子供たちにこの質問を投げかけた。そして今、その回答がTwitter上で話題になっているのだ。
・子供たちが大切にしていることとは?
南アフリカの小児科医アラステア・マカルパインさんは、ある課題の一環として、小児科緩和ケア病棟に入院している子供たちに「人生の楽しみはなにか?」「それにどんな意味があるか?」と質問してみたそうだ。
まず「もっとテレビが見たい」「もっとFacebookをやりたい」「もっとケンカしたい」「病院にいるのが楽しい」と答えた子は誰もいなかったとのこと。その代わりに彼らが楽しいと思っているのは……
その1:ペット
その2:本
その3:海で泳いだり、砂浜で遊んだりすること
その4:親切な人&面白い人
その5:オモチャ
その6:アイスクリーム
その7:自分たちと “普通” に接してくれる人
マカルパインさんはこれらの結果を、「寝ているとペットのジニーがベッドに潜り込んできて、ゴロゴロ言うのが好き」「優しい看護師さんが来てくれると嬉しい。穏やかでちっとも痛くしないんだ」「クマさんを抱っこするのが好き」といった子供たちの声とともにツイートした。
「その2:本」だが、子供たちはみな本やお話を聞くことを楽しみにしており、とくに両親から本を読んでもらうと嬉しいそうだ。
また「その7:自分たちと “普通” に接してくれる人」とは、入院している子供たちは周りからどう思われているか心配している。だからこそ自分たちのことを “普通の子” として接してくれる人のことが大好きなようだ。「親友は、僕の髪が抜け落ちても気にしなかった」「手術の後にお見舞いにきたジェーンは、私の傷に気付かなかった」と子供たちは答えている。
・子供たちが最も大切にしていることとは?
そして子供たちが最も楽しみにしているのが……家族との時間。「お母さんとお父さんがだ〜い好き!」「お姉ちゃんはいつもギュッとしてくれる」など、子供たちは家族を大切に思っていることが分かったもよう。
一方で両親のことを心配する子供も多く、「お母さんが大丈夫だと良いな。悲しそうにしているから」「お父さんに心配しないでほしい。すぐに僕に会えるからね」「僕が死んでも神様がお母さんとお父さんのことを守ってくれるよ」なんて声も聞かれたという。
・マカルパインさん「家に帰ったら子供たちにコレをしてあげて」
これらのツイートの最後で、マカルパインさんは以下のようにも呼びかけている。
家に帰ったら子供にやってあげてほしいこと:
優しくしてあげて。もっと本を読んであげて。家族と過ごす時間を増やして。冗談を口にしよう。海に行く。犬をハグして。大切な人に「愛している」気持ちを伝える。これらは病院にいる子供たちがやりたいことです。その他はどうでもいいこと。あ、あとアイスクリームも食べて下さいね。
この一連のツイートは、トータルで10万回以上リツイートされて大きな話題に。「素晴らしいツイートをありがとう」と「言葉を失った」といった声が寄せられ、彼のアドバイスを実行に移し、子供と海に行きアイスクリームを買ってあげた人もいたのだった。
ここで挙げられたことは、多くの人にとっての「楽しみ」でもあるはず。難病と闘う子どもたちだから崇高な答えが返ってくるのでは……なんて思ってしまいそうだが、それは間違い。立場や経験、環境など色々なことが違っても、人は同じことを大切に思っているようだ。
参照元:Twitter @AlastairMcA30、Bored Panda(英語)
執筆:小千谷サチ
Photo:RocketNews24.
▼話題となっているマカルパインさんのツイート
For an assignment, I asked some of my terminal paediatric palliative care patients what they had enjoyed in life, and what gave it meaning. Kids can be so wise, y'know. Here are some of the responses (Thread).
— Alastair McAlpine, MD (@AlastairMcA30) February 1, 2018