店構えはとても重要だ。外観から醸し出す雰囲気や、お店の佇まいによって、売上に大きな影響を与えることは確実である。しかし逆に考えると、外からは見えない魅力を潜ませているお店があるのも事実。
2015年に紹介した東京・渋谷の『フラヌール』は、どう見てもタバコ屋さんなのに、絶品のステーキカレーが食えるお店だった。あれから3年を経て、少しは飲食店らしくなっただろうか? 実際に行ってみると……。
・今は……
3年前に訪ねた時は、表に「お弁当」のノボリが立っている以外に、そこが飲食店であることをうかがわせるものは何もなかった。店の真ん前に立っても、タバコ屋としか見ることができない。非喫煙者は確実に素通りするレベルである。あれからテレビなどでも取り上げられ、少しは “飲食店然” としたのかと思ったら……
ほとんど変わってねええ!
「ステーキカレー」のノボリが立って、「Marlboro」の看板が「iQOS」に変わったくらいで、やっぱり飲食店には見えない。このお店は、あくまでもタバコ屋の外観を守ったまま、営業を続けていくようである。
・ステーキカレーではなく
さて、久しぶりに訪ねたところで、ステーキカレーを注文しようと思っていたのだが、メニューを見てその気が変わった。
ここのステーキの純粋な美味しさを堪能したことがなかった。そこでカレーではなく、ステーキ丼(1100円)を注文することに。
カウンター越しに見える風景はほぼ変わらない。ひとつ大きく変化した点は、新しいスタッフだ。以前はマスターが1人でやっていた。現在はその若い男性が厨房に立って、オーダーをこなしている。そうして、待つこと約10分。やや小ぶりの丼にこんもりとタマネギの盛られたステーキ丼登場。
・絶品ステーキは健在
ステーキカレーに比べると、見た目のインパクトは少し乏しい。だが、タマネギをかき分けると、そこには宝のようなステーキ肉が潜んでいる。
おお! コレコレ。焼き目美しく、肉の脂で表面が輝いて見える。
断面の赤身も実に美しいじゃないか! 一切れ食べると、肉の旨味と柔らかい甘さが口に広がって、思わず身もだえしそうだ。コレだよ、フラヌールは。ウマい!!
・2段ステーキ!
丼の大きさに対して、肉の量がやや少ないかな? と思ったら、実は2段になっていた!
う~ん! 至福の肉エクスペリエンス。食べ切るのがもったいないと思うほど絶品である。しかし本当の幸せはこの後に訪れるのだった!
・肉の下にある幸せ
肉を食べ進めて、ご飯を見る頃には、肉の旨味とソースの味がしっかりとご飯に馴染んでいる。これを肉と共に食らう!
視覚も味覚も幸せな刺激でシビレてしまいそう! ソースだけでご飯3杯は確実にイケる!! ここフラヌールで、また新しい楽しみを知ってしまった。次回来る時には、ステーキカレーにするかステーキ丼にするかで、魂の葛藤を起こしそうだ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 フラヌール
住所 東京都渋谷区道玄坂2-17-5
営業時間 11:30~20:00(ランチ11:00~14:00)
定休日 日曜日
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24