運転中に渋滞に巻き込まれたらどうする? どうしようもない! 迂回路に抜けられない限りどうしようもない。車の流れに身を任せるしかない。
だが中国では話が違った。かの地で渋滞が起きると、何かとダイナミックなことが起こりがちだ。車で歩道橋を渡ろうとしたり、全員車から降りて路上パーティしちゃったり……その事案は以前の記事でも紹介したが、このたびまさかの行動に出た男がいた。
「クルマが動かないなら、動くように仕向ければいいじゃない」。命がけで道路標識を書き換えてしまったのである。
・命がけで渋滞をなくそうとした男
事件が起こったのは2017年11月27日、江蘇省でのこと。動画「Man paints own illegal road markings in eastern China」に激写されたのは、道路にしゃがみこむ1人の男性だ。
車がビュンビュン通るなか、そんなところにいて危ない! 命の危険をかえりみず、何をしているのかというと……なんと左折専用レーンに「↑」を書き足していたのだ! その男性は渋滞に嫌気がさした結果、勝手に直進レーンを増やすという行動に出たのである。
・当たり前だけど違法ですから!
勝手に交通ルールを変えるのは、もちろん違法。巡回中の警察官にマッハで見つかり、あえなく御用に。罰金1000元(約1万7000円)の処分となり、増設されたレーンは光の速さでかき消された。
・しかし妙に高いクオリティ
迷惑な話ではある。だが下書きもガイドも何もなしで、あんなにキレイな矢印を、本物と見分けがつかないレベルで、しかも短時間で描き上げるというのは、誰にでもできることではない。もし警察の発見が遅れていたら「あれ~直進増えたのかな」と勘違いする人が続出していたことだろう。
中国語には「高手在民間」という言葉がある。元々「武術の達人は市井(しせい)にこそいる」という意味だが、いまでは広く「達人は一般社会に潜んでいる」というような意味で使われることが多い。
今回の男性もまさに達人級の腕前! やらかしたことは残念ではあるが、その才能をどこかで生かしてほしいものだ。