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【日本の匠】世界が注目する「名古屋の小さなアメ工房」の職人技がスゴイ! 飴をあやつる様子はまさに神業!!

2017年6月16日

切っても切っても同じ断面が出てくる「金太郎飴」。その金太郎飴(組み飴)をオリジナルで作ってくれるサービスを提供している会社が、名古屋にある『まいあめ工房』だ。同社は、最近イギリスのスーパースター、デビッド・ベッカムの息子であるブルックリンさんから注文を受けたそうだが、以前の記事でお伝えした通り、意外すぎる結末を迎えることに。

さて、そんなオリジナル組み飴はどんな風に作られているのだろうか? かなり複雑なデザインでも直径2センチの飴で再現できるというのだが。気になったので、実際に注文して私(佐藤)の “顔飴” を作ってもらうことにした

・世界的バンドの注文がきっかけ

まいあめ工房は2007年にオリジナル組み飴製造のサービスをスタートしている。そのきっかけになったのは、世界的に有名なロックバンドからのオーダーだったそうだ。制作した飴をメンバーが大変気に入り、後に口コミで噂が広がってオーダーが相次ぐようになったのだとか。今では、5000社以上の法人、900校以上の学校関係、また個人からも多くのオーダーを受けている。

また、最近はInstagramを積極的に使い、組み飴製造の過程を世界に向けて発信している。2017年2月に公開した動画は、なんと550万回も視聴されている。世界から注目されているといっても良いだろう。

さて、そんなまいあめ工房で私の顔飴の制作をお願いした。まず最初に自分の顔写真を送り、デザインを提案して頂いた。その後にメールでやり取りし、デザイン画が決定。

そして飴の製造を行う日に、私は名古屋市内の工場に伺い、制作の様子を取材したのである。

・釜から出したらノンストップ!

組み飴の制作は流れ作業だ。一度釜から飴を取り出したら、作業を途中で止めることはできない。飴職人たちは阿吽の呼吸で飴を組み上げ、成形して小分けにし、1個1個を小袋に包装するところまでノンストップで作業を行う。

飴は約150度に炊かれている。これを一気に冷やしながら味付け・色付けをして切り分けて行く。なお、飴を作るのはいきなり本番。試作することはないそうだ。熟練の職人だからこそ成せるワザ!

職人同士で何度も工程を確認し合い、いよいよ釜出し。

・急速冷却

アツアツに煮立った飴を平台へあける。この台は上面が冷えており、アツアツの飴は台と接している部分だけが急速に冷やされる。

めくるようにして何度も飴を折り返して、飴全体の温度を次第に下げていく。

・味付け、色付け、切り分け

次は味付け。味はイチゴやレモン、メロンなど定番の味が12種。コーヒーやコーラなど、一風変わった味が15種ある。このほかにも、組み合わせで味のアレンジの相談が可能だ。今回は飴のデザインにふさわしくないイチゴミルク味でオーダーした。

ここから飴を着色しながら、切り分けてパーツを組み上げていく。

赤パーツと白パーツを組み合わせて「口」に。

白・黒・肌色パーツを組み合わせて「目」に。

この他に髪・眉毛・鼻・耳・ヒゲ・サングラスなど、10個以上の細長いパーツを作り出し……。

・形作るところまでで半分

必要な部位が揃ったら、積み上げて顔を形作るのである。

ここまででようやく工程の半分。ここから1本の巨大な飴を形づくり、飴を引きのばして裁断していくことになる。その様子は次のページでお伝えしよう。

取材協力:まいあめ工房
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

全体の流れを動画で確認したい人はこちらをどうぞ。

・ようやく全体が見えてきた

さて、工程は後半戦。デザインの余白部分の白いパーツで、飴全体を包み、全体を整える。

おお! 見事に顔が出来上がっている!!

外側を赤いパーツでグルっと巻き、1本の巨大な組み飴の完成だ。

・一気に伸ばす

作業はまだまだ続く。とにかく時間との勝負だ。このまま組み上がった飴を専用の機械にセットして、回転させながら一気に引き伸ばす。

結構な重量があると思うんだけど、そんな簡単に伸びるのかな……。

と思ったら、一気にミュイーンッと伸びた!!

伸びたーーーーーッ!

・そして裁断へ……

ここからすぐさま裁断のプロセスに突入する。

巨大な飴は、約20センチの長さに切り分けられて……。

裁断器で1センチ幅に切り落とされる。こうして3500個もの飴をまたたく間に製造するのだ。

・スピード作業で包装まで

全部同じ顔に見えるけど、よく見ると顔が少しずつ違う。飴のひねり具合によって、少しずつ表情が変わって見えるのも面白い。

出来の悪いモノを選別した後に、飴は小袋に包装されていく。

ここまでのすべての工程が30~40分。飴が熱いうちに作業を終えなければ、飴をキレイに形作ることができないのである。熟練の職人たちでなければ、これだけのスピードでオリジナルデザインの飴を作ることはできないだろう。

ちなみにオーダーの最小ロットは3500個。出来上がった飴の賞味期限は、常温で1年なのだとか。ちょっと変わった引き出物や記念品を作りたいという人は、チェックしてみてはいかがだろうか。

取材協力:まいあめ工房
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼全体の流れはこちら

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