若い女性は、上手に撮れた写真のことを「盛れた」という。使い方としては「この写真盛りすぎじゃね?」「全然盛れないんですけどぉ」……といった感じで使用するケースが多いようだ。加工アプリなどを駆使した写真は芸術レベルの完成度で、まさに “盛りまくり” である。だがしかし……。
写真の盛り具合で、ここまで突出したグルメイベントはなかなかないだろう。2017年4月26日から上野松坂屋で開催されている『バベル盛り』のことである。メニューを見ると「1人で食べ切れるかな?」と不安になるほど大迫力だったが、実物を見てみると……全然盛られてねェェェエエエ! いや、逆に超絶盛れとるやないか!!
・「バベルの塔展」とのコラボ企画
4月18日から上野・東京美術館にて開催されている「バベルの塔展」。バベルの塔とは、ピーテル・ブリューゲル1世の最高傑作と名高い芸術作品のことで、日本では実に24年ぶりの展示となるという。
お察しの通り、松坂屋上野店で実施中の『バベル盛り』は「バベルの塔展」とのコラボ企画である。松坂屋内のいくつかの飲食店が、ご自慢のグルメを天高く盛り付けた『バベル盛り』で販売するイベントで、開催前からネット上では大きな話題となっていた。
これは食べたい……! 超ウマそう!! というか、1人で食べ切れるのか!? ……と若干不安を覚えつつ足を運んだイベント初日。私(P.K.サンジュン)の期待は、あらゆる意味で大きく裏切られることになったのだ……。
・ローストビーフのバベル盛り
まずは、チラシのセンターに位置する「ローストビーフのバベル盛り」から。写真を見る限り、うず高く積まれた肉塊が大迫力である。さっそく、地下1階の惣菜店「ポール・ボキューズ」で購入すると……。
バ……
ババ…………
バベーーーーーーーール!!!!!!!!!
手のひらサイズのバベーーーーーーーール!!!!!!!!! お値段税込1296円、デパ地下適正価格のバベーーール!! iPhoneよりも小さいバベーーール! こ、これは……!! バベル盛りの概念とは一体何なのだろうか?
・松阪屋上野店に物申す
確かに写真にもプチトマトがあしらわれており、実物大と強引に言い切れなくもない。さらにチラシには、
「※盛り付けはイメージです」
と、小さな文字で書かれているから、松坂屋上野店の落ち度ではないだろう。ただし、私はあえて言いたい。確かに「写真詐欺ではない」の一点張りで逃げ切れるかもしれない。むしろ、トリックアート並の撮影方法は逆に見事である。だが、
「実物を見てお客さんが喜びますか?」
……と、私はバベル盛りの担当者に問いたい。チラシには「#バベル盛り SNSでつぶやこう!」と書いてあるが、SNSユーザーを舐めてはいけない。この程度でSNSユーザーは呟かないし、呟いたとしても悪い意味である。ハッキリ言って、客の気持ちを考えていない。
また、6階催事場で食べられる、鮨のぶの「30種類のスペシャルまかない丼」(税込2700円)は、いわゆる観光サイズの小ぶりな海鮮丼であった。盛り付けは写真より若干劣るものの、観光地で食べると思えばそれなりに適正価格だろう。
期待が大きかった分、個人的には大きく裏切られた気持ちになったバベル盛り。味は申し分ないし、デパート価格と考えれば値段も適正なので、興味がある人は松坂屋上野店まで足を運んでみてはいかがだろうか? ただし、実物を見てガッカリしても当サイトでは責任は負えないぞ。
参考リンク:バベルの塔展×松坂屋上野店コラボ企画
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
▼チラシのローストビーフのバベル盛り。
▼バベーーーーール!
▼バベーーーーーーーール!!
▼バベーーール……。
▼バベル盛りの概念とは何なのだろうか?