1973年生まれの私(佐藤)にとって、21世紀は遠い未来のはずだった。子どものころに思い描いていた未来には、『ドラえもん』のようなロボットが人間の生活を助けてくれるものと信じ、『スターウォーズ』の世界のように、宇宙へ簡単に行けるものとばかり思っていた。しかし実際の21世紀はそうではない。
せいぜい、お掃除ロボットが床掃除をするのがやっとで、ソフトバンクの「Pepper」は話相手になるのがやっとだ。そんななか、意外すぎるモノが歩行を始めていた。それは、空気清浄機である……。そこに未来が来たのか……。
・自走式空気清浄機
「iRobot」などのお掃除ロボットは、一般家庭に浸透しつつある。しかし自走式空気清浄機は、まだ販売が始まったばかりだ。ECOVACS社の「ATMOBOT 650」は2017年3月31日に販売開始となった。このロボットは、最大72畳の広さを “自走” して、空気をキレイにするという。
……掃除ロボットなら “自走” するのはわかる。床を移動して、ゴミを収集する必要があるからだ。なぜ、空気清浄機が自走する必要があったのだろうか? 私はその疑問を拭い去ることができない。公式ページを見ると、「段差のない空間であれば、設定した経路を移動して空気をキレイにする」そうだ。
・持ち運ばなくても良い
専用のリモコン、もしくはスマホで空気清浄ポイントを最大6カ所まで設定できる。それぞれの場所に持ち運ばずとも、ATMOBOT 650は自らその場所に移動するようである。段差がない家であればなのだが……。
・もしかして、これがドラえもんに!?
最初の話に戻るが、私は21世紀にドラえもんのようなロボットに出会えると思っていた。Pepperの登場によって、着実にその方向に近づいていると思っている。いや、正確には、そう思いたい! だが、Pepperの方向に向かってロボット技術が進化していくと思ったら、なぜか空気清浄機にロボット技術が活用されている。
この調子で行くと、次は洗濯機が自走するんじゃないかとヒヤヒヤしてしまう。いや、もしかしたら、この空気清浄ロボットがドラえもんの祖先になる可能性だってゼロではない。そうなる方向に技術が進化していくことを願うばかりだ……。