第45代米国大統領にドナルド・トランプ氏が就任して以来、米国内で、異人種や異教徒に対するヘイトクライムが後を絶たず問題になっている。
そんななか、今までイスラム教徒を嫌っていた米男性が、中東からの移民がご近所さんになったことで、先入観が覆されたというエピソードが感動を呼んでいるので紹介したい。彼らと触れ合う機会を持つようになったことで、すっかり考えを改めるようになったというのである。
・中東の移民一家がイスラム教徒を嫌っていた男性の隣人に……
米ネブラスカ州に住むジョン・デュッチャーさんは、2001年に起きた米同時多発テロ事件以降、イスラム教徒に対して、抑えようがない憎しみを抱くようになってしまったと語っている。彼の近所にはイスラム教のモスクがあり、豚肉を食べない彼らへの嫌がらせとして、モスクのドアにベーコンを置いてやろうかと考えたことさえあるという。
ところが、彼が住んでいるアパートの向かいの部屋にシリア難民の家族が、そして、階下にはアフガニスタンの家族が引っ越して来たのだ。引っ越して来た家族がジョンさんの部屋に挨拶に来たため、仕方なく社交辞令で「何か助けが必要なら言ってください」と伝えたところ、一家が遠慮せずに彼を訪れるようになったのである!
・彼らの素晴らしさに先入観を覆されることに!
そうするうちに、シリア難民一家の小さな双子の兄弟は、ジョンさんのことを ‟ビッグブラザー” と呼びすっかり懐いてしまったのだとか。思いがけずジョンさんは、中東からの移民と知り合えば知り合うほど、彼らのことが好きになっていったのだ。
あれほどイスラム教徒を嫌っていたのに、今では中東からの移民に助けを差し伸べるボランティア活動にも参加するようになり、彼の心から、イスラム教徒に対する憎しみや嫌悪感が完全に消え去ってしまったのである。
・イスラム教徒について知る努力をしてほしい
ジョンさんは、昨年の大統領選挙でトランプ氏に投票したが、新大統領が発令した、イスラム教徒の渡航者と難民の入国を制限する大統領令には反対だとのこと。
彼は、「もし、イスラム教徒のことを嫌っているなら、彼らのことを知る努力をしてみてほしい。そうすれば、必ず考えが変わると思います」と述べている。
よく知りもしないうちに、単なる先入観で嫌悪感を抱いて人を差別してしまったら、自分で自分の世界を狭くすることになってしまう。現代は情報があふれているだけに、何かとニュースやイメージに左右されてしまいがちだが、変に決めつけずに広い心で接していきたいものである。
参照元:YouTube、indy100(英語)
執筆:Nekolas