地球温暖化や環境汚染が進み、海と陸を問わず生態系が物凄い勢いで脅かされつつある。そんななか、絶滅の危機に瀕しているクジラの胃袋から30枚ものビニール袋が発見され、環境保護団体が警鐘を鳴らしている。
なんと、海洋に排出されるゴミは、年間800万トンにも及ぶと言われているというのだ!
・死んだクジラの胃袋から30枚もビニール袋が発見!!
北欧ノルウェーのソトラ島で、衰弱した中型のアカボウクジラが、何度も海岸に打ち上げられているところを発見された。その後、地元ベルゲン大学が息絶えたクジラを解剖したところ、胃袋から30枚ものビニール袋やプラスチック製のゴミが見つかった。
解剖を行った生物学者は、「飲み込んだゴミが胃と腸を塞ぎ、体脂肪が少なかったことから栄養失調に陥っていたと思われます。クジラは、かなりの痛みで苦しんでいたのではないでしょうか」と見解を述べている。
・ヨーロッパ諸国で打ち上げられたクジラの胃袋にもビニール袋が!
クジラ目ハクジラ亜目に属する体長7メートルほどのアカボウクジラは、イカや深海魚をエサとし、通常は太平洋や大西洋海域に生息しているため、ノルウェー近海に姿を見せることはないとのこと。
自然保護団体は、ここ近年ヨーロッパ諸国の海岸に打ち上げられたクジラの胃袋から、ビニール袋が発見されることが多いと報告している。
・海洋に排出されるゴミは年間800万トン!!
ビニール袋は自然分解されず、マイクロプラスチックと呼ばれる小さな断片となり、その結果、クジラや魚・海鳥が飲み込み健康に問題を引き起こすことになるのだ。
世界経済フォーラムの調査では、2050年までに世界中の海水魚を合わせた重量よりも、海に排出されるゴミの重量の方が多くなるとも発表されている。海洋には、年間800万トンものゴミが流れ出ているそうだ。
海洋のゴミ回収については各団体が取り組んでいるものの、追いつかない状態のようである。罪のない動物が、人間のせいで苦しんでいることを考えると、どうにもいたたまれない気持ちになってしまう。
参照元:YouTube、DAILY SABAH、THE NORDIC PAGE(英語)
執筆:Nekolas