私(佐藤)は銭湯が好きだ。以前はあちこち出歩いて、銭湯を開拓していたのだが、最近は寒さで湯冷めしてしまうので、近所の銭湯に週2~3回通っている。
そんな私が銭湯で見かけた怪しいおじさんたちをお伝えしよう。正直これらの人が気になって仕方がない。できれば、遭遇したくないとさえ思っている。彼らは一体何者なんだ……。
・素が見える場所
銭湯とは、個性のにじみ出る場所だ。一糸まとわないからこそ、その人の “素” が丸見えになっている。お風呂はトイレと同じく、究極のプライベートである。それが銭湯では明け透けになるから、妙なものだと思う。何でもない普通のおじさんも、銭湯では本人も気づかないような意外な癖を露呈していたりする。
・ストレッチ・筋トレおじさん
さて、私が銭湯で見かけた気になるおじさんをお伝えしよう。まず最初は、意外といるタイプのおじさんだ。
洗い場にタオルを敷いて、ストレッチや筋トレを始めてしまうおじさん。周りなんか見えちゃいない、夢中で全身運動をする輩。時には、湯船でストレッチを始めてしまう輩もいる。
ハッキリ言って邪魔だ。そんなに鍛えたいなら、ジムに行けばいい。割とどこの銭湯でも、こういうおじさんがいるらしい。裸で運動したいのなら、自宅でやればいいだろう。とにかく邪魔で仕方がない。まあ、邪魔になる以外に、不安をかき立てられるようなことはないのだが、「ここでやらなくてもいいでしょ」と思ってしまう。
・何もしないおじさん
次、これもまたどこの銭湯にでもいそう。邪魔になる訳ではないのだが、薄気味悪い。
洗い場で風呂椅子に座ったまま、ずっとうつむいて何もしないおじさん。何しにここに来たんだ? と思わずにはいられない。とにかくジッとしている。邪魔にはならないんだけど、あまりにもジッとうつむいているので、不気味に感じてしまう。
もしかして、湯冷ましをしているのかな? と思えば、全然湯船に入っていないので、のぼせているはずがない。何かを待っているのだろうか? 目的がわからないので、結構怖い。
・ずっとウロウロするおじさん
こちらも、先の何もしないおじさんと同じように、目的がわからないので不気味だ。
身体を洗う訳でもなく、湯船に浸かる訳でもない。ただ、ずっとウロウロしているおじさん。しばらくウロウロしたかと思うと、急に立ち止まって、立ったまま小休止。しばらくすると、再びウロウロ。
このおじさんは邪魔になると同時に、薄気味悪い。銭湯で遭遇すると、不安になってしまう。何がしたいのか、全然わからない。
・素だからこそ不安に
先にも述べたように、人は銭湯で素の状態にある。もちろん真っ裸なので無防備だ。そこで想像できない動きを見せる人がいると、落ち着かない気持ちになってしまう。
おそらくほとんどの人が、他人を不快にさせる意図はないだろう。お互い素のはずなのに、相手の目的が見えないことが、不安を駆り立てているのかもしれない。
とにかくルールとマナーを守って、気持ち良く銭湯を使いたいものだ。
執筆:佐藤英典
Photo・イラスト:Rocketnews24