子育ては大変だ。楽しいけど大変だ。家の中にいるならまだしも、外出先では様々な障害が待ち受けている。やれエレベーターが見当たらない、やれ優先席が空いていない……などがあるが、その中の一つが「ミルク問題」だ。
最近では授乳室を完備した商業施設も増えてきたが、まだまだ一般的とは言い難いのが現状である。とっさのときに「ミルクを飲ませたい」と思ったとしても、ミルクを作るお湯すらなかなか見当たらない。そんな経験、パパさんやママさんにはないだろうか?
・外出先ではお湯の入手も困難
外出先で乳幼児が泣きだしてしまったら、まず多くの親は抱きかかえてあやすことだろう。その後も手を尽くし、最終的に辿りつくのが「ミルク」である。ところがどっこい、ミルクを作ろうにも外出先ではお湯の入手すら困難だ。
そんなときにふと思いついたのが「コンビニ」である。コンビニはカップラーメン用のポットが設置されており、ミルクを作るお湯自体はある。ただ、商品を購入すればお湯自体は使えるものの、モラル的にお湯だけもらうのはどうなのだろうか? そもそも、ラーメンを買ったとしても「赤ちゃん用のミルク」にお湯を使っていいものなのだろうか?
・コンビニ各社に聞いてみた
そこで店内にあるお湯は「赤ちゃんのミルクを作るためのお湯として使うことは可能なのか?」大手コンビニ3社に聞いてみることにした。以下がコンビニ各社の返答である。
・ファミリーマート
「原則、店内で購入した商品のためにお湯は設置しています。一方、2016年5月24日には、静岡県富士宮市と『ベビーステーション事業協力に関する協定』を締結しました。市内にある店舗での粉ミルク用のお湯の提供や、紙おむつ等の育児関連商品の品揃えを増やしています」
・ローソン
「赤ちゃんのミルク用のお湯のご提供は今のところ地域差やお店によって違いがあるため、一概にお伝えすることが難しい状況です。ただ、商品をご購入いただかないとダメということはないです。ちなみに、近畿エリアでは、子育て応援サポート事業として滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良の2250店舗でミルク用のお湯のご提供を行っております。
今後、他のエリアでもご提供できるよう広げていければと考えています。ちなみに横浜にある『HAPPY LAWSON山下公園店』ではミルク用のお湯や授乳用のスカーフの貸し出しをしています」
・セブンイレブン
「店内ポットのお湯につきましては原則、店舗でお買い上げいただいたカップ麺などへのサービスとしてご用意させていただいております。ただ、弊社はフランチャイズチェーン店を展開しており、殆どの店舗は独立した事業主が店舗の経営を行っております。ポットのお湯の用途などについても、当該店舗の経営者が状況に応じ判断しております」
どのコンビニにも多少の差はあったものの、「原則的にはダメだけど、あとは現場の判断」ということらしい。あたり前といえばあたり前だが、そもそも会社として「赤ちゃん用ミルクに対する方針」が存在しないようだ。
また、コンビニによってはエリアごとに子育てサポートを充実させていくようだから、今後コンビニが子育て奮闘中の親御さんにとって力強い味方になる日がくる……のかもしれない。
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.