餃子といえば、「餃子の王将」や「大阪王将」が定番のお店である。この2店は安くて美味しい餃子を食べられることで全国的に知られているが、もしも新宿・歌舞伎町を訪ねる機会があれば、私(佐藤)はこれから紹介するお店をおすすめしたい。
歌舞伎町のど真ん中にある「新宿駆け込み餃子」である。ここも安くて美味しい餃子を提供するお店として、24時間営業を行っている。お店をおすすめしたいのには、もうひとつ理由がある。それはこのお店の社会的な意義だ。
・出所者支援の居酒屋
このお店は、「出所者支援居酒屋」として一般社団法人再チャレンジ機構の理念に基づき、営業を行っている。刑余者(以前に刑罰を受けた人)の社会復帰を支援し、再犯防止に寄与することを目的としている。とはいえ、お堅い感じの食堂ではない。餃子を売りにするお店としての魅力も十分に備えている。
・趣向を凝らした餃子
お昼にお店を訪ね、メニューを見てみると、ランチが安い! ランチセットは、ご飯・スープ食べ放題。肉汁焼き餃子ランチ(餃子5個)で580円。
このほかにも、餃子メニューが充実しており、それぞれのメニューに趣向が凝らしてある。たとえば、餃子カツ(3個324円)は、衣をつけて揚げた揚げ餃子だ。衣の中に、餃子餡の旨味がギュッと凝縮されており、半割にすると肉汁がジワリとあふれ出す。
トマトとチーズの水餃子(3個626円)は、トマトの酸味とチーズのコクが、肉汁と絶妙にマッチしている。
・アツい肉汁に注意
中でももっともインパクトがあったのは、ジャンボ揚げ餃子(1個530円)である。とにかくデカい! 餃子というよりも、メンチカツに近い感じだ。
美味しいのだが、厄介なのは肉汁がアツいこと。多少放置して冷めるのを待っても、中はいつまでもアツアツなので、食べる時には注意しよう。
・通いたくなるお店
もちろん、定番の焼き餃子も水餃子もウマい。どれを食べても美味しいので、しばらく通ってメニュー全制覇を目指したいところだ。
・“包み込む”
それにしても、刑余者の社会復帰と、餃子は何か関係あるのだろうか? 再チャレンジ機構の案内には次のようにある。
「社会的に孤立している人々や困難を抱えている人々に対して社会参加の機会を作り、社会的課題の解決に取り組む活動、それが社会的包摂(Social inclusion)です。私たちはその『包』という文字に、餃子の『包み込む』というイメージを重ね合わせます」(再チャレンジ機構ホームページより引用)
なるほど、包み込むイメージで、再チャレンジを支援したいという思いが込もっているようだ。餃子の皮のなかには、そんな思いと美味しさがギュっと詰まっている。
・今回訪問した店舗の情報
店名 新宿駆け込み餃子
住所 東京都新宿区歌舞伎町1-12-2 第58東京ビル1・2階
営業時間 24時間
参照元:新宿駆け込み餃子、一般社団法人再チャレンジ機構
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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