ロケットニュース24

【検証】10月29日は『インターネット誕生日』→ 逆に1日「ネット・パソコン・スマホ無し」で仕事したらこうなった

2016年10月29日

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こんにちは、こんばんは、ロケットニュース24のP.K.サンジュンです。“PK” と付いていますが、小学校のサッカー部では15人の中で補欠でした。

さてさて、今日10月29日は『インターネット誕生日』らしいです。どうですか、みなさん? インターネット使ってますか? 僕はネットメディアの人間なので、ネットが無ければ仕事になりません。それなのに……。

なぜか「ネット・パソコン・スマホ無し」で1日仕事をするハメになってしまいました。ハッキリ言って全くやる気が出ません。

・ネットメディアのお仕事

そもそも僕たちネットメディアの人間は、どんなときに「ネット・パソコン・スマホ」を活用するのでしょうか? 各媒体で違いはあると思いますが、ロケットニュース24的にはこんな感じです。

1: ネタ探し
2: 執筆
3: 画像の加工(トリミングなど)
4: ブログシステムへの落とし込み
5: 確認
6: 編集

一言で表現するならば、全てです。全ての作業に「ネット・パソコン・スマホ」のいずれかが必要なのです。

これらを使わないというのは「プロ野球」で例えるなら、バット無しでバッターボックスに立つようなもの……どころか、ボールが無いのに投げるようなものと言えるでしょう。どうですか? うっすらと狂気を感じませんか?

もっとグダグダ言いたいのですが、始まってしまったのでやるしかありません。まずは「ネタ探し」からです。

とりあえず、歌舞伎町に来ました。事務所から近いことと、行けばなんかありそうな街なので新宿歌舞伎町にしました。さっそくネタ探しを始めましょう。

……と、写真について説明しなくてはいけません。今回はデジカメを使用しましたが、この企画を聞いて悪ノリした佐藤やGO羽鳥からは「写るんです」を預かってきました……。

悪意を感じます

「そっちの方が面白いって!」「やるなら徹底的に!」などとホザいていましたが、写るんですで撮った写真をどうアップするんですかね? 馬鹿ですよね

……とはいえ2人は上席に当たるので、一応、写るんですでも撮影を行いました。

・ネタ探し

平日の昼間とはいえ、歌舞伎町はそれなりに人が多いです。そして「おっ」と目を引くものもたくさんあります。「マジックミラー型逆ナン館」なんて最高にワクワクしましたが、まだ営業時間前でした。

そして歩いていると「警察庁指定 重要指名手配犯」の顔はめパネルを発見しました。はす向かいにある交番でおまわりさんに聞いたところ、警察が設置したものではないようです。

おまわりさんいわく「顔はめパネルは不謹慎かもしれないけど、指名手配犯を探す協力はしてくれてるからねぇ」と、撮影はOKとのこと。ちょっとこれ1本でネタにはなりませんが、一応記念撮影はしておきました。撮影してくれたカップルの男性、ありがとうございます。

やはり、やみくもに歩いていてもネタは見つかりません。1時間近く歩き回り、メンタル的にもやられてきました。普段ならば、こういう時こそスマホの出番なのですが、致し方ありません。軽い気持ちでこのネタを提案したことを、心底後悔しています。

・ネタが見つからない

ここで頭を切り替えることにしました。「どんなネタなら歌舞伎町で取材できるだろう?」と考えたのです。読者のみなさんに興味があって、かつタイムリーなネタなら最高です。

閃いたのはハロウィン……ハロウィンしかないでしょう。しかも歌舞伎町には、ズラリとコスプレを取りそろえる「ドン・キホーテ」があるではありませんか。というわけで、ドンキに直行することにしました。

ちなみに、その直前まで考えていたのは「植え込みに寝ていたお兄さんに話を聞いてみる」というネタだったのですが、激ギレされても怖いので諦めました。

さてさて、到着したドン・キホーテで外観の撮影をしていると、ピカチュウコスプレの女性従業員の姿が確認できます。お姉さんに「ドンキの売れ筋 & オススメコスプレ」を教えてもらえれば、この時期らしい記事になるのではないでしょうか?

お姉さんは丁寧でかつ親切に、売れ筋やオススメのコスプレ衣装を教えてくれました。ただ、普段ならiPhoneのボイスメモを使い録音するのですが、スマホはありません。

こうなったら手書きで乗り越えます

まるでライバル店から視察に来た怪しい従業員のようでしたが、何とかオススメコスプレを教えてもらうことに成功しました。もうHPは真っ赤です。

そしていよいよ執筆作業に入ります。

Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

【検証】10月26日『インターネット誕生日』→ 逆に1日「ネット・パソコン・スマホ無し」で仕事したらこうなった(2ページ目)

・執筆へ

メンタル的には死亡寸前でしたが、事務所に辿りつきました。いよいよ執筆です。いつもならパソコンで作業をしますが、今日は使えません。

仕方なく「原稿用紙」に書くことにしました。

原稿用紙に文字を書くなんていつ以来でしょう? もしかしたら高校生だった20年ほど前かもしれません。ちなみに20枚入りで120円くらいでした。

今回執筆する記事ですが、書く内容は既に確定しているので、普段なら画像の処理などを込みで1時間もあれば書き上がります。純粋に執筆だけなら、30分くらいでしょう。

ところが書き始めてすぐに問題が発生しました。とにかく消しゴムを使う頻度が高いのです。普段はポチッと「デリート」押すだけでOKなのに……1文字直したいだけなのに……それら全てを消しゴムで消さなくてはならないのです。

それでも、自分で言うのは何ですが、筆の早い僕のことです。何とかペースを掴みました。ただ、またも厄介なことが起きました。

漢字が書けないのです

パソコンならば勝手に変換してくれますが、その機能に慣れ過ぎたせいでしょうか、漢字が全然書けなくなっています。「逮捕」の「逮」とか、みなさん書けますか?

しかし、ここで平仮名だらけの原稿にするわけにはいきません。ちょっと偉そうですが、僕は漢字や平仮名、カタカナのバランスにも気を使って執筆をします。平仮名だらけだと、そのバランスの見極めができません。

そこで用意したのが「国語辞典」です。こちらも原稿用紙同様、何年ぶりに触るかわかりません。国語辞典は3000円でした。

・はかどらない執筆

あとは悪戦苦闘を繰り返すだけです。漢字がわからなくなったら辞書で調べ、間違えたら消しゴムで消し、そのたびに原稿用紙がクシャクシャになっても めげずに書けばいいのです。

ところがここで痛恨の取材ミスが発覚してしましました。一部の衣装の値段が、写真に収められていなかったのです。これは大問題です。

やはり値段が記載されていた方が、読者のみなさん的にも親切ですよね? 通常ならネットでドンキの電話番号を調べて問い合わせるのですが、ネットが使えません。かといって出かけるのも嫌です。

104を使いました

無料電話案内の104を使ったのも久々。ここでドンキの電話番号を調べ、ドンキに問い合わせて問題は無事に解決しました。104では60円かかっています。

……結果、純粋な執筆だけで約2時間かかりました。先ほども言いましたが、ドンキの店員さんが教えてくれたことだけを書くだけの簡単な記事です。いつもなら、かかって30分でしょう。ただこれで終わりではありません。

出来上がった原稿用紙を、誰かに打ち込んでももらう必要があります。これは偶然目があったYoshioにお願いしました。秘密のDVDをプレゼントすると伝えたら、嬉々として作業してくれたので一安心です。

そこまでボリュームのない原稿でしたが、打ち込みだけで20分が経過しました。その間、やる事がありません。打ち込みを終えたら、次は画像の処理です。

これも、秘密のURLをセットでプレゼントすることを条件に、Yoshioが引き受けてくれました。本当にYoshioは好きですね。

──ところがどっこい、ここでまたも問題が発生しました。写るんですの件です。佐藤はかたくなに「写るんです使えよ!」とゴリ押ししてきます。仕方ないので、新宿駅西口の「カメラの北村」で現像することにしました。

・写るんです問題

佐藤いわく「40分で現像できる」とのことでしたが、店員さんによると「今なら最速で1時間」とのことです。ここまで来たならお願いするしか選択肢はありません。

普段なら、ここでパソコンを使い原稿を書くか、スマホをいじって時間を潰すか、ポケモンGOにいそしむか……などなどワリと余裕で1時間くらいなら潰せます。

しかし……暇です。暇すぎて死にそうです。あまりにも暇だったので、すぐ近くにあったブックオフで「特盛植田まさし」を100円で購入しました。余計な出費でしたが「おとぼけ課長」が面白かったです。

ようやく1時間が経過し、写真を無事に受け取り。事務所へ帰りました。しかし……どれもこれも使える写真がありません。どれ一つとしてありません。

よく言えば「風合いのある」「味わい深い」写真ですが、シンプルな綺麗さだとデジカメの圧勝です。とにかく暗いのは、記事にする上で致命的。というわけで、写るんですの写真は全てボツになりました。時間返せ。

・記事完成

気持ちを切り替えて、Yoshioと一緒に記事に使用する写真を決め、加工してもらいます。そしてブログシステムに当て込んでもらい、確認を経て、ようやく記事が完成しました。それがこちらです。

【ハロウィン】ドンキで聞いた「売れ筋 & オススメコスプレ」5連発!

確認作業の際、薄々気づいていたのですが、とんでもなくシンプルな記事です。僕はどちらかと言えば表現力が豊かだと思うのですが、この記事に関して言えばそのカケラも見当たりません。

一言でいえば、消しゴムで消してもう1度書き直すのがツラかったのだと思います。意識してシンプルになったのではなく、手書きという作業がそうさせたのでしょう。

パソコンならもっと違う記事、さらに言えば僕らしい記事になっていたと思います。逆にいうと、自分らしさすらネットやパソコン、スマホがないと表現できないのかもしれませんね。

写るんですでのタイムロスはありましたが、結果として1本の記事を書くのに7時間ほどかかってしましました。Yoshioに協力してもらった時間を考えると、さらに時間は上積みされます。

普段なら取材時間や移動時間込みで、かかっても2時間の記事でしょう。ネット・パソコン・スマホが使えないと5時間も余計な時間がかかるとわかりました。

また、「原稿用紙」「消しゴム」「国語辞典」「特盛! 植田まさし」で合計4000円ほど使ってしまいました。もちろん、インターネットもタダではありませんが、長いスパンで考えると十分に元は取れているのではないでしょうか

いかがだったでしょうか? たまに「スマホやパソコンが使えないお寺で山籠もりするとリフレッシュできる」なんて話も聞きますが、少なくとも僕はストレスフリーの真逆、ストレスフルの1日でした。

僕は「ネット・パソコン・スマホ」が無いと話にならない職業ということもありますが、読者のみなさんにも少なからず当てはまるシーンがあったのではないでしょうか?

なお、もう2度とこの企画はやらないことをここに宣誓しておきます。ネット中毒と言われても構いません……。

やっぱりインターネット最高ォォォォォオオオオオオオ! インターネット誕生日おめでとォォォォオオオオオオオオ!!

Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼写るんですで撮った写真。昼間なのに夜のよう。

▼食事中もネットが出来ずに孤独だった……2度とやらない。

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