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【検証】iPhone7 Plusの背景ぼかし撮影「ポートレート」(被写界深度エフェクト)を試してみた! これは完全に「人物専用」の機能だと思ったほうが良いぞ

2016年10月26日

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キタ! iPhone7 Plusの被写界深度エフェクト(背景ぼかし)が、ついにキター!! Appleの公式サイトで「まもなく登場」とジラしにJIRAして1カ月以上、ついに……この度リリースされた iOS10.1から「7 Plus」のデュアルカメラシステムの威力をフルに発揮できる撮影機能「ポートレート」が実装されたので、さっそく検証したゾ!!

まず先に、批判を承知で私(羽鳥)の感想をズバリ書いてしまおう。……ガッカリだ! 正直イラネ!! こんだけ待たせて、この程度のボケ機能だったとは……!! 一体全体ナニがダメだと思ったのか、比較画像と動画をあわせて徹底的に解説してみたい。

・被写界深度エフェクトとは?

まず、あらためて「被写界深度エフェクト」とは何なのかを説明したい。詳しくは以前に公開したボケ比較記事「いち早く iPhone7 Plusの「被写界深度エフェクト(背景ぼかし)」の気分を味わう方法 」をご覧いただきたいのだが、この前までAppleは

「顔をはっきりととらえたまま、背景にぼかしの効果を加えられます」
「ボケと呼ばれるこのエフェクトは、今まではデジタル一眼レフカメラにしかできなかったことです」
「このエフェクトを使えば、被写体の後ろに何があっても、最高のポートレート写真を簡単に撮影できます」

──と言っていた。つまるところ、「一眼レフなんて、もうイラネ!」てな感じだ。この機能があるからデュアルカメラシステムの「iPhone7 Plus」を選んだ人も多いだろう。かくいう私も、そうだった。買ってはいないが、期待はしていた。しかし……!!

・いきなりグワッと画角が狭くなる

まずは、カメラモードの普通の撮影「写真」と「ポートレート」の画角の違いを比べて欲しい。いきなりグワッと画角が狭くなる。それはまだいい。一眼レフで背景ぼかしをするときも、グワッとズームにするから、そういうもんだろう。

・いちいち「離れてください。」と表示される

また、被写体と近すぎると、いちいち「離れてください。」と表示されるが、それもまだいい。なんだか「オレ、iPhoneから嫌われているんじゃ……」的な冷たい言い方だが、離れないと撮れないんだから仕方ない。いいよ、わかったよ、離れるさ……。

・人以外のモノを被写体にした時に問題発生

んでもって、人を写すと、それなりにキレイに見えるから、まだ許そう。問題なのは、ここからである。人以外のモノを被写体にした時、この機能のポンコツさはハッキリと露呈するのだ。よ〜く比較写真を見比べて、ボケ具合を確認してほしい。

・ボケなくていいところでボケる

今回の被写体は、前回の比較検証記事と同じ、SoftBankのチョイうざロボットPepper(ペッパー)君のボールペン。佐藤の机に置いてあったものだ。ためしに撮影してみたけど……もうこの時点で、なんか変だ。

なんというか、“被写体のまわりも一緒にボケている” のだ。実際に、被写体の後ろにいる面々もボケているが、それは違う意味でのボケなので大した問題ではなく、被写体のまわり(境界線)が中途半端にボケているのが気になるのだ。

仮に一眼レフなら、こうはならない。まるで、Photoshopの「なげなわツール」で Pepper君のまわりを「ぼかし1px」で選択し、選択範囲を反転させてフィルター「ぼかし(強)」をかけました的な……そんな雑さが露呈したのである! さらにさらに!!

さらに問題なのが、この iPhone7 Plusなるカメラマンは、人の顔が見えると「あっ!」と、そっちにピントを合わせようとするのだ。それはまるで、野球場の外野席にカワイコチャンがいたら即ピントを合わせてしまう超敏腕カメラマンのように……!! 何を言っているのか意味不明な人は、次ページ(その2)を見れば一目瞭然である。

参照元:Apple「iPhone7」
Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

【検証】iPhone7 Plusの背景ぼかし撮影「ポートレート」(被写界深度エフェクト)を試してみた! これは完全に「人物専用」の機能だと思ったほうが良いぞ(その2)

人の顔が見えてない時は、まだいい(↑よくないが)。しかし、背景にいるオッサンたちが、ひとたびクルリとこちらを振り返ると……!! しばし iPhone7 Plusは「ウッ、ウ〜ン……」と悩み……

どこ狙っとんじゃ!! お前が狙うべきはPepperだろ! もちろん、この時点で画面をタッチし、Pepperにピントを合わせれば、Pepperにピントが行く。

しかし、画面の中に顔がある限り、しばらくすると、また「ウ〜ン……」と悩み始め、ピントを「画面全体」に合わせるようになったり、再び背景のオッサンたちにピントを合わせようとするのである。この動きは、動画でも撮影したので参照されたし。

どうしてこれが問題なのかというと、もしも仮に、そこに可愛らしい子犬がいたとしよう。蝶々でもいい。シャッターチャンスだ! よし、ポートレート……よしよし、背景がボケてるボケてる……と思いきや、背景にいるオッサンがいきなり振り向いたら!?



やはりオッサンにピントが合うのである! どんだけ老けたオッサンの顔が好きなんだ! フケ専か!!

そりゃ機能の名前が「ポートレート(人物写真)」なんだから、人の顔に焦点が合うのは正しいことだ。しかしながら、この機能を一眼レフでの「背景ぼかし」と同じことができると思ったら大間違い。いわば、「背景ぼかしはできるぜ、ただし人物写真専用でな」ということだ。まさにそれこそが「ポートレート」なのだが……。



てな感じで、お花や料理、犬や猫などの動物、クルマにバイクにフィギュアなど……被写体が人物以外だった時には、背景の「顔」には十分に気をつけないと上手には撮れない。もしも「背景ぼかし」という言葉に釣られて、今から7 Plusを買おうとしている人は、この機能は「人物(ポートレート)専門」だということをお忘れなく。

参照元:Apple「iPhone7」
Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

▼っていうか、被写体が人物でも、境界線のボケ具合、なんか変じゃね……?

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