中国というと‟秘伝” といった言葉が一番ピッタリくるように思うが、とてつもなく長い歴史を誇る国だけに、歴史が浅い国には真似できないような物事がたくさんある。
それは、漢方薬や気功などの医療分野にも、言えることではないだろうか。そんななか、中国を飛行中の航空機内で乗客が発作を起こし、その場に居合わせた中国人医師が、爪楊枝とスプーンだけで患者の命を救ってしまったというのだ!!
・てんかん発作の治療にスプーンと爪楊枝!?
中国国際航空のある便が、中国のカシュガル市からウルムチ市に向かっている途中、機内で乗客が発作を起こし、応急処置に当たれる医師がいないかどうかを尋ねるアナウンスがあった。
すると、上海の病院で医師として勤務するティアン・ユーさんが名乗り出て、発作を起こした人物のもとに駆け寄った。患者は口から泡を吹いており、てんかん発作を起こしていると判断した彼は、客室乗務員に、スプーンと爪楊枝を持ってくるよう指示したというのだ。
・爪楊枝を鍼の代わりに使ってツボを刺激!
スプーンと爪楊枝を使い、一体どうやって、患者のてんかん発作を止めようというのだろうか!? まずティアンさんは、患者が窒息死しないようスプーンで舌を押さえ、発作が治まると、脳を活性化させるために爪楊枝で頭のツボを刺激したのである。
そうすると、その処置が功を奏したのか患者は意識を取り戻し、水を欲しがるほど回復したそうだ。爪楊枝を鍼の代わりに使ってツボを刺激してしまうとは、なんとも、‟中国秘伝” を感じさせる対処方ではないか!
・見事な臨機応変っぷりだが、反対の意を示すメディアも
医師歴が7年になるというティアンさんは、「機内で応急措置に使える物が限られていたため、臨機応変に対応しなければならなかった」とコメントしている。
一方で、「てんかん発作を起こしている人の口には、何も入れてはいけない」と助言している海外メディアも存在している。見事な臨機応変っぷりではあるが、医療に従事して専門知識がある人以外は、下手に真似をしないよう注意して頂きたい。
筆者も、ロサンゼルスからニューヨークに向かう途中、機内で心臓発作を起こした乗客がいて、ネブラスカに緊急着陸したことがある。その人物が助かったのかどうかは不明だが、てんかん発作を起こした人が、大事に至らなくて何よりだった。
参照元:METRO、Mirror(英語)
執筆:Nekolas
Photo:Rocketnews24.