新学期が始まると、学校にいくのが嫌で自ら命を絶ってしまう子供が増える恐れがあるという。
大人の目線から見れば「狭い世界のことに悩んで、死ななくてもいいのに」なんて、つい思ってしまうが……いやいや、自分の子供時代を振り返れば、私もあなたも結構深刻に悩んだことがあるはずだ。その気持ちを忘れずに、子供たちに寄り添う必要があるだろう。
しかし世界中で、多くの人が年齢に関係なく命を絶っている。では実際に自殺をはかり生き残った人々は、「生きていたこと」が分かったときにどのような思いを抱くのだろう? 海外サイト『Reddit』に寄せられた、自殺サバイバーたちの体験談をお伝えしたい。
その1:死ねなかった! でも死なずにすんだ!!
15歳のときに首をつった。僕は生まれつき足の形が独特で、そのことでいじめられるのに疲れてしまったんだ。だからクローゼットの枠にベルトをひっかけて、首をつることにした。
首をベルトに通して、スツールの上に立ち、「後はスツールを蹴ればいいだけ……」と思った瞬間に、まだ覚悟ができていないのに誤ってスツールを蹴り倒してしまったんだ。それから15秒くらい首つり状態になっていたと思う。目の前がまっ暗になったところで、安物のベルトは壊れて、僕は床に叩き付けられた。
その瞬間僕は、「チクショウ!」って叫んだよ。その理由は「ベルトが壊れて、死ねなかった」から。そして「ベルトが壊れてくれたおかげで、死なずにすんだ」から。
その2:これから闘えばいいんだ
「もういい! 自殺を考えたのがバカだった。もう知らない、これから闘えばいいんだ」って思った。
その3:自殺未遂を知った母親の態度
自殺に失敗しても、特になにも思わなかった。でも母親の態度は覚えている。僕の自殺を知ったとき、母親はショックを受けなかった。僕の自殺未遂よりも、ロープが梁(はり)に食い込んで、塗装がはげたことをスゴく怒ったんだ。ちなみに梁が折れて、僕は助かった。
そんな母親の態度は、僕にとって “良かったこと” なのかもしれない。なぜなら僕は「自分のなにかがおかしい」と思って、自殺をはかった。けれども塗装について怒る母親を見ていると、絶望よりも怒りを感じた。そして本当におかしいのは、自分ではなく母親なんだということに気付いたんだ。
その4:両親に知られたくなかった
「なんで両親に電話したんだ」。病院で目が覚めたときに、僕はまずそう思った。両手はベッドにくくり付けられていて、頭痛がヒドかった。でも最悪だったのは、両親に知られてしまったことだ。両親は僕のことを気遣ってくれて、感動的な雰囲気にもなった。でも僕は、ただ1人で病院で過ごして、普通の生活に戻りたかった。
その5:あれ? 上手くいかなかった
「あれ? 上手くいかなかったかな。まあ、シャワーを浴びなくっちゃ」と思った。友人に死ぬことを告げるメッセージを送った後、薬を大量に飲んで、横になった。でも次の日には目が覚めて、冒頭のことを思ったんだ。まあそう思えたってことは、僕は本当に死ぬつもりなんてなかったんだろう。
でも僕の “死のメッセージ” を見た友人が、警察に通報して騒ぎに。最終的に僕は大学を追い出されることになったんだ、大学側が死亡者を出したくなかったみたいだからね。それ以来、自殺をはかったことはないよ。
その6:学校に行く準備しなくちゃ
「クソ! 学校に行く準備をしなくちゃ!!」と思った。
その7:なんで上手くいかなかったんだろう?
10代の頃に、薬を飲んで自殺をはかったことがある。自殺に失敗して目が覚めたとき、まず今が何曜日なのか、なんで上手くいかなかったのか不思議に思った。日付を確認すると、3日も経っていることが分かった。でも父は、僕が自殺をはかったことはおろか、家にいたことさえも知らなかったんだ。
その後、僕は16歳で家を出た。自殺を試みたことを後悔しなかったし、もう二度としないと思いもしなかった。ただ受け入れただけだった。あの後は、何日も気持ちが悪かったな。
その8:家族にお別れが言いたかった
私は若い頃、ガレージで首をつろうとしたことがある。家族に最後のお別れを言う前に、ガレージの梁(はり)が体の重みに耐えるかどうか試してみることにした。
そのとき立っていたイスから足が滑って、首つり状態になってしまったの。私はパニックになって、すぐに「生きなきゃ」と思った。だって両親に「大好き」って伝えずに、この世を去るなんて本当に嫌だったから。
家族に最後のお別れが言いたい一心で、とりあえずその状況を切り抜けることだけを考えたの。幸運なことに足がイスについて、一命をとりとめることができた。そのときにはもう、死にたい気持ちもなくなっていた。今では幸せに暮らしているわ。
あの時、足が滑って良かった。だって家族に「サヨナラ」を告げるメールを送った後だったら、大切なことに気付けずに、そのまま死んでいたと思うから。
その9:なんらかの理由があって助かったんだ
私は首をつった後、すぐに意識を失った。でもまたすぐに目が覚めた。気が付くと、自分がロープをつかんで、上に引っ張り上げていることに気が付いたの。
それで、少しだけ息をすることができた。その後はロープをほどいて、泣いて、病院に行った。あの時のことを今でもよく考える。ロープを引っ張り上げる力は私にはないし、あんなこと出来ただなんて信じられないから。
なんらかの理由があって、自分は助かったんだと思っている。もう自殺しないように、そのことを突き止めようと考え続けている。
その10:死ななくて良かった
自分がやったことを深く恥じて、とにかく両親に知られたくなかった。でも同時に、「死ななくて良かった」という深い安心感にも包まれた。結局、両親に自分が行ったことを話したら、2人は愛を持って全力で支えてくれた。