2016年5月24日に閉幕された、東京都美術館の「生誕300年記念 若冲展」。連日長蛇の列で、入場者数は44万以上だったと報じられている。そんなふうに人々を惹き付ける力があるのがアート。けれども力が強すぎて、ときに理解に苦しむこともある。
珍しいアートだなあ……と見る者を悩ませるのだ。今回も、ある美術館に「なんの変哲もないメガネ」が “展示” されていた。さて、メガネを見た人々はどう反応しただろうか?
・近代美術館で “実験” !
この度、ケビン・グェンさんと TJ・カヤタンさんが、米サンフランシスコ近代美術館で、ある “実験” を試みた。なんと日常品を、美術館の展示品よろしく並べてみたというのだ。まずは自分たちの帽子と、会場にあったゴミ箱でトライ。だが観客は、あまり関心を払わなかったそうだ。
そこで彼らがメガネを床に置いてみたところ、人々が足を止め始めた。みながグェンさんたちのメガネをしげしげと眺め、カメラで撮影し始めたというではないか! その場面が収められた写真を見てみると、たしかにポツンと床に置かれたメガネから “オーラ” が感じられる気がするなあ。
・ネットでも話題に「人間心理ってやつは……」
しかもその様子を Twitter で発信したところ、ネット上でも大きな話題に。「写真を見て爆笑しちゃった」「だからアートって嫌いなんだ」「人間心理ってやつは……」と多くの人が我が身を振り返りながら、様々な感想を抱いていた。
また YouTube チャンネル『The Young Turks』は、「モダンアートは、見る者の想像力によるところが大きい。ジョークと受け取る人がいる一方で、神聖だと感じる人もいる」「彼らの行動自体がアートとも言える」とこの件を紹介しているぞ。
美術館でこのメガネを見かけたら、あなたはどう反応するだろうか? ちなみに2人は、人ごみの中に分け入ってメガネを拾い上げるとき、とても気まずい思いをしたとのことだ。
参照元:BBC Newsbeat(英語)、Twitter @TJCruda、YouTube、日本経済新聞
執筆:小千谷サチ
▼2人の “実験” に関するツイート。大きな話題となった
https://twitter.com/TJCruda/status/734951316095533057