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職業に就こうとしない若者を指す「ニート」の数は60万人以上とも言われており、現在も深刻な社会問題となっている。そして本日2月10日は、誰が決めたか「ニートの日」。過去にはインターネット上で『天下一無職会』なるものも開催されている日だ。

そんな年に一度の日に「クズにならないために死守するべき三カ条」を教えてくれたのは、元ガチクズニートの30代サラリーマン男性。「正体がバレないよう匿名だったら……」と条件付きで、伊東ハイジ(仮名)さんがインタビューに応じてくれた。

【元ガチクズのニートが語る「クズにならないために死守するべき三カ条」】

記者:「現在の姿からはとても想像できませんが、まずお聞きしたいのはハイジさんのニート時代についてです。ハイジさんはいつ頃、またどれくらいの間ニートをされていたのでしょうか?」

ハイジ:「私がニートをしていたのは20代前半です。期間はおよそ1年。若かったからでしょうか。仕事を辞めても次が見つからず、気がつけばダラダラ生きる毎日を過ごしていました」

記者:「なるほど。その期間が短いのか長いのかは人によって捉え方は違うでしょうが、さっそく本題に入らせていただきます。ハイジさんが思う『絶対に守るべき三カ条』とは? ガチクズだった経験を踏まえて教えてください」

ハイジ:「まず一番守らないといけないのは、親に嘘をつかないということですね。実際に私は信用してくれている親を散々裏切ってきました。ひとり暮らしで何をやってもバレないのをいいことに、次から次に嘘の上塗りです

もし首が回らなくなったら親を頼ればいいか……そんな気持ちを持っているクセに嘘をつくのだからガチクズでした。小さい嘘は誰でもつくでしょう。しかし、ニートをしている状態で親に嘘をつくことは絶対に許されません。

なぜなら親はどんな時だって子供を信じており、おかしいなと思ったとしても信じ抜いてくれる存在だからです。そのような親に嘘をついて何も感じなくなると、危ない兆候以外何物でもありません。お金に関する嘘なら言語道断。もし甘えがあるなら今すぐ捨てるべきです」

記者:「確かに……。もし親頼みの生活をしているのであれば、なおさら超えてはいけない一線ですね。では2つ目をお願いします」

ハイジ:「ズバリお酒を飲むなということですね。お酒を飲むと、どうしても気持ちがよくなります。そして決まってどうでもよくなる。飲んでいる日は楽しくても翌朝起きてみると、とてつもない虚しさを覚えるわけです。仕事もないですし(笑)

私自身も後悔しては飲むという愚行を何回繰り返したかわかりません。わかっていながらも飲んでしまっていました。お酒の魔力なんて言い方をしたらマシな感じがしますが、間違いなくそれは錯覚です。

お酒は財布も軽くなるので何ひとついいことはありません。そう、前進するどころか後退しかしないのがお酒なのです。やはりお酒は自分で収入を得てから飲むべきでしょう。おいしさも格段に違いますしね」

記者:「余裕を持って飲むからこそ、お酒はおいしいものですよね。では、最後のひとつは?」

ハイジ:ギャンブルをしないことです。パチンコ、パチスロ、麻雀、競馬……私はギャンブル界のトリプルスリーどころか、世にあるほとんどのギャンブルをやりました。今、当時の私にアドバイスを送ることができるならば、ギャンブルをやる時間とお金があるなら仕事を探せと言いたいです。

もしかしたら “俺は負けない” なんて思っている人もいるかもしれませんが、勝負事なので勝ちがあれば必ず負けもあります。そもそも、ギャンブルそのものは負けるようにできているのです。漫画のような僥倖(ぎょうこう)はまず起きません。

どこにでもあるような話だからこそ簡単に足をすくわれるのがギャンブル。ましてや自分が稼いでいないお金でギャンブルする行為ほど愚かなことはないでしょう。ニートが踏み込んではいけない絶対領域。それがギャンブルです」

記者:「『親に嘘をつかない』『酒を飲まない』『ギャンブルをしない』。当たり前のことのようで、失敗談も多い3要素ですね」

ハイジ:「人は自分が一番かわいいので、楽な生き方を選びたがる生き物です。しかし、誘惑に負けてしまうと私のようなガチクズニートになってしまいます。ボロボロになった頃を思い出すと、今でも寒気がしますよ。

そして元ガチクズの私が言うのも何ですが、ニートをしていても人生終わったと思ったり、諦めないで欲しいと思います。努力を続けていればその姿を見てくれている人は、必ずひとりはいるものです。今日を頑張るから明日がある。今回私の話で、ひとりでも真っ当な人生を歩む人が出てくれたら幸いです」

<完>

Report:原田たかし
Photo:RocketNews24.