ロケットニュース24

【マサイ通信】第4回:マサイ族のスマホ充電事情 / 10キロ先に住む太陽男「ソーラーマン」が約34円でフル満にしてくれる

2016年2月4日

lukasumaho

ジャンボソパ! ジャンボ〜はスワヒリ語、ソパ〜はマー語、両方「こんちは」の意味だ。ということで、ごぶソパ(さた)したな、ルカだ。マサイ族の戦士・ルカだ。ちなみにマサイ(MAASAI)ってのは「マー語を話す人」って意味なんだぞ。これ豆な。

ところでだ。あいかわらずゴー(羽鳥)からもらったスマホが便利すぎてパケ死のピンチは続いているのだが、それよりなにより問題なのが、電池、すなわちバッテリーだ。今回は、オレがどんだけ苦労して充電しているのかを みんなに教えたいと思う。

・家から一番近い充電スポットは10キロ先

まずな、基本的にオレがスマホを充電するためには、家から10キロ先の充電スポットまで行かなきゃならない。ライオンが出るかもしれないデンジャーロードを、10キロも歩いて行くんだ。スマホを充電するために徒歩10km。それだけのために、だ。

ちなみに、スマホを手に入れるまでは、50キロ先の町にあるネットカフェに行っていた。さすがに50キロ徒歩はキツいので、バイクタクシーに連れて行ってもらうんだが、往復の運賃は3000ケニア・シリング(約3452円)だ。高いんだよ、遠いから。

だが今じゃぁ、たまにしか行かない。ロケットニュース24からの原稿料を受け取るために銀行に行ったり、あとはスマホのパケットを補充しに行ったりな。リチャージ式なんだ。通称「air time」っていうんだけど、ようはパケを買うんだ。クスリじゃないぞ。

でまあ、そんなシャブいギャグはさておき、その町でもスマホの充電はできる。ネットカフェとかでな。でも遠い。金もかかるから、しょっちゅう行ってらんない。だから俺は、10キロ先の充電スポットを利用する……ってさっき書いたけど、実はこれ、人な。

どんな人物なのかというと、太陽の力を使って電気を作ってしまう男なんだ。通称「ソーラーマン」といってな、俺のスマホだったら、なんとたったの30ケニア・シリング(約34円)でフル満にしてくれるのさ。すごいだろ。太陽男、ソーラーマンだ。

んで、この話をゴー(羽鳥)にしたら、とんでもなく興奮したのか、マッハで「こんな男か?」と想像図を送ってきたりしたけど、全然ちがうから。「写真撮って送って!」とも言ってきたけど、ソーラーマン、写真NGなんだよ。気難しくてな……。

でもな、オレ、交渉した。みんなのために交渉した。日本のみんながソーラーマン見たいつってるって。つうかこのネタ、写真重要。そしたらソーラーマンが、「ロケットだけよ……」みたいな感じで、特別に許可してくれた! 写真許可おりた!!  wow!!

念のため言うけど、ロケットだけだからマジで。太陽の男・ソーラーマンが見られるのはロケットニュース24だけだから。マジのマジで本邦初公開どころか、世界初公開だからソーラーマン。どんな姿なのかは……次ページ(その2)にゴー(羽鳥)!

Report:ルカ(マサイ族)
意訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

【マサイ通信】第4回:マサイ族のスマホ充電事情 / 10キロ先に住む太陽男「ソーラーマン」が約34円でフル満にしてくれる(その2)

見たか? 彼が太陽と共に生きる男、ケニアはアンボセリの「Solar man(ソーラーマン)」だ。それにしても、さすがは太陽を自在にあやつる男、うまく逆光を使って顔がよく見えないようにポジショニングしている。さすがとしか言いようがないよな!

で、どうやってソーラーマンに充電してもらうのかというと、ずばり、ソーラーマンんちに行くわけだ。ソーラーマンんちには電気があるんだ。だからオレらは、10キロ先のソーラーマンんちに、たびたび歩いて行くわけだ。どんなトコなのかっつーと……

こんな感じな。カッケーだろ、作業台みたいな机があるんだぜ。さらに、よく見てみろ。クルマのバッテリーみたいなのがあるだろ。なんだかよくわかんねーけど、太陽の力で、この中に電気がたまっていくらしいんだよ。(※おそらくソーラー発電)

あとは、よーく見ろ。机の上に、何がある? 携帯電話が2台ある。画面のちっちゃい、すんげー昔の携帯電話だ。パカッって開くタイプもある。かろうじて、こういうケータイを持ってる仲間もいる。でも、最新のスマホを持ってるのはオレだけだ。

いいか? これで分かっただろ? ケニアに来たことないくせに、リアルなマサイを見ていないくせに、知ったかぶりして「今時のマサイ族はみんなスマホを持っている」なんて大ウソをドヤ顔で言いふらしている者たちに、あらためて知ってほしい。

電気はもちろん、水すら来てないこの村で、みんながスマホ持ってるわけねぇだろバッファロー(バカ野郎)! テキトーなネットのガセ情報ばっか信じてねえで、ナイロビからクルマで6時間かけてアンボセリに来い!! てか最近、観光客が少ないのだ( ;∀;)

アンボセリは良いところだぜ。運が良ければ野良キリンにも出会えるんだぜ。運が悪ければ村にライオンが乱入してくるけど、絶対にオレタチが守るから。俺もライオン相手に1勝してるから安心してな。勇気100%あるから。らいおんハートだから。

……てなかんじで、アンボセリで待ってるからな! あ、もし可能だったら、そんとき、スマホ用のバッテリーも持ってきてくれると、オレ、チョ〜助かる。村を案内している最中に、俺のスマホを充電したいんだ。たのむよ。そんじゃな、オレセリ〜!!

Report:ルカ(マサイ族)
意訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

▼ルカは、写真を送ってくるたびに「どうだい?」と聞いてくる

▼どんどん写真が上達してきてる気がする



▼「SOPA!」は、この動画の4:30〜に出てくるぞ

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