今やスマホやパソコンをインターネット接続する為に欠かせない「Wi-Fi(ワイファイ)」。様々なデジタル端末をワイヤレスで接続するために使われている、世界統一の通信用電波だ。
このWi-Fi、2000年頃に本格的な普及が始ってから早15年が経過するが……なんと、Wi-Fiの通信速度より100倍も高速の通信規格が誕生しつつあるという。今回はその内容についてお伝えしたい。
・新しい通信規格の名前は「Li-Fi(ライファイ)」
イギリスの企業が開発中のその新しい通信規格の名前は「Li-Fi」だ。電波とは違った全く新しい通信方式を使っているようなのだが、その仕組みがこれまた意外。なんと、LED電球を点滅させて通信するというのだ。
この原理はモールス信号と似ていて、光の点滅する回数や点灯する長さによって情報をやり取りするらしい。え!? 通信する度に電球が点滅したら目がチカチカちゃうじゃん! ツッコミたくなるところだが、光は目にも止まらぬ速さで点滅するため、人間の目には普通の光にしか見えないとのことである。
・映画18本をたった1秒でダウンロード
そんな新しい通信方式のLi-Fiだが、実験ではWi-Fiの100倍(毎秒224ギガビット)の速さを出すことに成功しているという。具体的に言うと、1.5ギガバイトの映画18本が、な、なんと1秒! なんと、映画18本を1秒でダウンロード可能というからこれは驚異的なスピードだ。
・メリットとデメリット
Li-Fiのメリットは他にもある。光を使うため、電波が及ぼす人体や電子機器への悪影響を排除出来ることや、妨害電波に対するセキュリティ強化も期待出来るとのこと。だがしかし、デメリットも無いわけではない。
電球の光は当然壁を通過することは不可能。よって、各スペース毎に専用の電球を設置しなければ通信が出来ないのだ。このように電波方式のWi-Fiに比べて、光を使ったLi-Fiは環境に大きく左右されてしまう点が気になるところである。
この新たな通信規格「Li-Fi」は2016年の製品化を予定しているとのこと。早くその驚異的な通信速度を体感してみたいものだ。
参照元:YouTube、pureLiFi
執筆:K.ナガハシ