ロケットニュース24

【立ちそば放浪記】いくらシャイでも絶対に「ごちそうさま」と言ってしまうほどウマい! 男のそば屋『六文そば 須田町店』

2015年9月18日

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ウマいそば屋を求めて色んな街を放浪する「立ちそば放浪記」。これまで、フォアグラ玉子とじ丼セットや、製麺会社企画のそば屋等、それぞれに話題になりそうな趣向を凝らしたクオリティの高い店ばかりだった。

今回ご紹介する店は、そういった見栄えの良さや華やかさとは無縁であるものの、ストイックにそばの味を極めるということに関してはNo.1かもしれない。言うならば “男のそば” である。

訪れたのは、東京都千代田区神田須田町にある『六文そば 須田町店』。香ばしい匂いが漂ってきそうなみすぼらしい外観。店内は狭く、カウンターの前に椅子が5~6席並ぶのみのシンプルさだ。こんなもんウマくなかったら絶対話題になんねえよ……というストイックさである。

・おっさんの洗礼

私が入店した際、席は地元のおっさんとおぼしき人達で埋まっており、さらに、席に座れないおっさんが椅子の後ろから入口までのちょっとしたスペースを利用して、勝手に立ち食いスタイルでそばをすすっていた。なんだここは!? 治外法権にもほどがあるわ!!

そんなことにはお構いもしないで、全員一心不乱にそばをむさぼっている。まるで、禁断症状でも出ているかのように。そして、「ごちそうさま」と一言いい残して出ていく。

どんな不愛想そうなおっさんも必ず「ごちそうさま」と一言いう。当たり前の礼儀ではあるが、こんな回転の速いそば屋にこれだけ不愛想なおっさん達が集まれば、何も言わず出ていく人も一人はいそうなものなのに、全員が必ずその言葉を口にすることに私は若干の違和感を覚えた。

・B級臭のする攻めのメニュー

注文したのはイカゲソ天。理由は簡単で、ほとんどの客がイカゲソ天を食べていたからだ。この店の異常にストイックな雰囲気はおそらくこのイカゲソ天によるものだ。注文したら速攻でイカゲソ天が出てきた。ベン・ジョンソンのようなとんでもない速さだ。ドーピングでもしてるんじゃないだろうか? とにかく、イカゲソ天を食べてみた。

・侵略! イカ娘

カリッカリの衣の向こう側からイカゲソのぷりぷりの食感が侵略してくるっ! その食感に促されるようにそばをたぐる。な、なんだこれは! 箸が止まらないじゃなイカっ! つゆをすすれば、“ザ・関東” のつゆという感じの濃厚なつゆが、さらにイカゲソと麺を口の中に呼ぶ!

・茫然自失

次から次に食べたいという欲求が湧いてきて、欲求を満たすうちに気付いたら食べ終わっていた。あまりに一瞬の出来事に逆に味わえなかったぞ……。茫然とする私。もはや、歩く気力もない。

「……ち……さま」その時ささやくような声が聞こえてきた。誰の声? もしかして私が言っているのか!? そうだ、つぶやくように言ってるのは間違いなく私だ! 小学校の給食でも言ったことのないあの言葉。店の客がもれなく言ったあの言葉を、私も思わずつぶやいてしまっていた。「ご・ち・そ・う・さ・ま」。

・今回訪問した店舗の情報

店名 六文そば 須田町店
住所 東京都 千代田区 神田須田町1-17金井不動産方1F
営業時間 7:00~19:00

Report:立ちそば評論家・中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼都営新宿線小川町駅、東京メトロ丸の内線淡路町駅A3出口出て、りそな銀行に向かって歩こう

▼りそなの奥の道を左に折れよう

▼この道をまっすぐ行くとどうなるものか……。

▼キター! って……凄く無骨な外観であらせられる

▼イカゲソ天絶品!

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