よく、「犬は人類の最良の友」と言われるが、果たして「人類は犬の最良の友」だと言えるだろうか。犬は無条件で人間について来るわけではない、虐待されれば悲しみ、その心の傷を負うことになるのだ。
先日、そんな傷ついた瞳をした子犬を保護されたそうだ。怯えた姿から、人間に心を寄せるようになるまでの一部始終が動画に収められているのだが、元気になっていく様子が喜ばしいと同時に涙なくしては見られないのである。
・真夜中の保護大作戦
動画「Saving Oakley in a late night rescue mission. Please help her find a home.」を公開したのは、米ロサンゼルスの動物愛護団体「Hope for Paws」だ。
ある日、同団体の発起人のひとりであるエルダッド・ヘイガーさんは「病院の駐車場に子犬が住み着いている」という保護要請を受けた。当日、彼は非番だったが、犬の命には代えられない。真夜中の保護作戦に乗り出したのである。
・捕獲された子犬はパニックに!
駐車場には確かに薄汚れた犬がいた。後ろから、ソーっと近づき捕獲棒で捕獲! と、そこまでは順調だったのだが、ここで驚いた子犬が走り出してしまったのだ。
「ギャンギャン!」とほえて、何とか逃れようとする様子には明らかに恐怖と敵意が見てとれる。そのまま押さえつければ簡単に捕まえられるが、ヘイガーさんは無理に捕獲棒を引いたりはしなかった。「大丈夫、大丈夫だよ」とワンコに語りかけながら、ワンコの走るまま、ずっと着いて回ったのである。
するとワンコも「あれ、この人はいじめに来たんじゃないのかな……」と、言うように、少し戸惑いながらも落ち着いてきたようだ。ヘイガーさんが自分に危害を加える存在ではないとわかったのだろう。彼がなでても怒ったりせず、大人しく抱っこされて、彼に保護されたのである。
・マルチーズ系の美人ワンコだった!
ワンコは「オークリー」と名付けられ、キレイに洗ってもらってケアされると……そこに現れたのは黒い大きな瞳が印象的なフワフワマルチーズ系のワンコ! もともとこんなに美人さんだったんだね。
その瞳にはもう恐怖の色はない。オークリーはヘイガーさんになでられると、うっとり嬉しそう。ついには彼の膝の上にピタっと寄り添い、ヘイガーさんを受け入れたのだ。
この動画を見たネットユーザーからは、「泣いてしまった」「ヘイガーさん、本当にありがとう」「まさに天使だよ。オークリーもヘイガーさんも!!」という声が寄せられている。
・怯えていた頃がウソのよう! 無邪気な表情に
ヘイガーさんの元で、元気を取り戻しつつあるオークリーは、マルチーズの保護や里親探しを請け負っている団体「Maltese Rescue California」に登録され、現在、里親を募集しているところだ。
さっそく、プロフィール写真が公開されたところ、その可愛らしさに多くの反響を得ているぞ。あの怯えていた子犬がこんなに無邪気な表情をするようになるなんて……。
ヘイガーさんに出会ったオークリーは、再び人間を信じてくれるようになったのだろうか。オークリーのように保護されるニュースを聞くと嬉しく感じると同時に、一方で救われることなく命を落としていく動物がいると思うと胸が痛む。
路頭に迷った動物の保護はもちろんのこと、これ以上、苦しい環境におかれる動物が出さない働きかけも必要とされていると言えるだろう。
▼こちらがその動画だ
▼「Maltese Rescue California」に掲載されたオークリーのプロフィール写真、温かい家庭が見つかりますように!