ロケットニュース24

【動画あり】宇宙人やUFOがいると噂される「エリア51」に行ってみた

2015年5月22日

area51-2

エリア51とは、米ネバダ州にあるアメリカ空軍の管理地区。この地の周辺では古くから頻繁に未確認飛行物体(UFO)が目撃されており、「UFOの発着所」や「宇宙人がいる」、「米軍と宇宙人が共同研究を行っている」などの噂が絶えない場所である。

宇宙人&UFOファンにとってエリア51は聖地である。いつかは行ってみたい場所、それが通称「エリア51」こと、アメリカはネバタ州にあるグレーム・レイク空軍基地なのだ。ということで……ひとりクルマを運転しまくり、エリア51に行ってみた!

・カーナビにも出てこない謎の場所

さあエリア51に行くゾ! と、カーナビに「Area51」と入力しても、当たり前だが出てこない。なにせ、謎だらけの空軍基地。あのオバマ大統領ですら、エリア51に関する質問には、「私からは何も言えない」と意味深な発言をしているほどだ。

ということで、まずはエリア51から最も近いUFOファンの憩いの場『Little A’Le’Inn(リトル・アレイン)』を目的地にセット。米カリフォルニア州を出発し、ネバダ州リノの激安モーテルで一泊。そして翌日、太陽が昇ると同時にハイウェイを爆走し……約7時間後、やっとこさ『Little A’Le’Inn』へ到着。

余談だが、ネバダ州の長距離移動は本当にキツイ。目の前に広がるのは、すがすがしいほどの一本道だけ。本当の本当に……何もない。まるでドラクエの “荒野” のような景色だけが、何時間も何時間も……続くのだ。ちなみにハイウェイのルートとしては、「I-80 E → US-95 S → US-6 E → NV-375 S」という道のりだった。

そんなツラい旅路の果てにある『Little A’Le’Inn』は、UFOファンのみならず、普通のドライバー&ライダーたちにとってもオアシスのような存在になっている。レストラン&バーとして使えるほか、なんと宿泊もできるらしい。もちろんUFOグッズや、ここでしか買えないマニアックな「エリア51グッズ」も揃っている。

しかし店内はビミョーに薄暗く、けだるいオーラが充満していた。恰幅の良い……というか、いかにもアメリカ体型な(要するに太っている)女性店員も、なにやら険しい表情をしている。そこはかとなく “秘密を知ってしまった顔” をしているのだ。

もしかしたらワナ? 私がこれからエリア51にクルマで向かおうとしていることを、グレーム・レイク空軍基地に通報し、軍人が追いかけてきて即拘束。そして、エリア51の内部に連行され、牢屋に入れられ、ふと隣の牢屋を見てみると……あの【衝撃映像】エリア51で撮影された「捕らえられた宇宙人」が目の前に!!

──という果てしない妄想を張り巡らせつつ、Tシャツやらマグネットやらステッカーやら、しこたまお土産をレジに持って行くと、太っちょな女性スタッフは「ワァオ!」と一気に表情が明るくなり、ウッキウキの上機嫌になった。よかった。

ちょっと仲良くなったので、つたない英語でいろいろ聞いてみた。エリア51に行きたいという旨を伝えると「行けるわよ! でも内部には入っちゃダメ。行けばわかるわ。気をつけて」と、簡単な地図をくれた。さらに、「宇宙人はいるかな?」との問いかけには「ウフフ……いるかもね」と意味深な答え。やはり……彼女は知っている!

だがしかし。この直後、私がエリア51に来た本当の目的を彼女に伝えると、またもや一気に表情が曇り、聞いた私ですら不安になるような答えが返ってきたのである。私の真の目的とは。そして、エリア51には何があったのか!? UFOの聖地で最終的に私が目撃した “日本の遺産” とは……? その答えは、次ページ(その2)へGOである。

Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.


【動画あり】宇宙人やUFOがいると噂される「エリア51」に行ってみた(その2)

上の動画は予告編、本編はこのページの最後にある。それはさておき……私がエリア51に向かった真の理由。その答えは、以下に再現する女性店員との会話で察して欲しい。

「ところで、イチローって知ってる?」
女「もちろん。日本人の野球選手ね」

「そうさ。でね、イチローの背番号は昔から51で、シアトル・マリナーズ時代も51だったんだけど、ニューヨーク・ヤンキース時代は31だったんだよね。でも、今季からマイアミ・マーリンズに移籍して、なんと背番号51が復活したんだ!」
「へー」

「でね、イチローはバッティングもすごいけど、守備もスゴい! イチローのところにボールが飛んできたら、なんでも捕っちゃう! この守備範囲の広さから、イチローが守っているエリアは……エリア51と呼ばれているんだよねぇ(しみじみ)」
「そ、そうなんだ……」

「でね! イチローはね、“レーザービーム” っていうスゴい技を持っているんだ。遠く外野の位置から、まるで弾丸のような豪速球をバックホームに投げるんだ。そして……アウトよ!(大興奮)」
「す、すごいね、イチロー」

「でね、でね、俺ね、エリア51に行ったらね、軍人さんに “ここにレーザービームは配置されてますか?” って聞いてみたいんだ。だからホラ、イチローのシャツを着てるんだ(と、見せる) 野球ファンなら大爆笑マチガイナシ! どうかな?」
女「……ごめんなさい、私には、ちょっとわからないわ……」

──ア、アレッ? だ、だめかな……。俺の考えたイチローギャグ、だ、だめかな……と、一気に不安になりつつも、私は地図を頼りにエリア51へと向かった。ルート375から入れる “未舗装の道” を延々と走って行く。本当にオフロード中のオフロードであり、うしろを見ると砂埃がスゴい。ここでガス欠になったら、たぶん死ぬ。

しばらく走っていると、前方にクルマが見えた。私のようなUFOファンか、もしくは偵察部隊か……は不明だが、向こうにとっては「なんか怪しいアジア人が乗ったクルマから尾行されている」と思ったはずだ。ともあれ、30〜40分ほどでエリア51に到着。

前を走っていたのは仲の良いファミリーだった。彼らは “ひとりで三脚を立てて自撮りするイチローのシャツを来たナゾの怪しいアジア人” からは距離を置きつつ、「ここがエリア51かぁ」と会話しながら、家族でパチリと記念撮影し、帰っていった。

ここからは、私とエリア51の真剣勝負だ。さあ来い、野球ファンの軍人さん! 監視カメラで見ていることは間違いない。イチローのシャツに気付いてくれ。私のボケに気付いてくれ……とばかりに、自撮り棒でイチロー風の素振り練習などもしていたのだが──待てど暮らせど誰も来ない! 30分待っても、誰も来やしない!!

その昔、UFO番組で有名な矢追純一さんのドキュメントをテレビで見た時、エリア51近辺を撮影していた矢追さんたちは、ソッコーで “軍人さんが乗っているらしき怪しいクルマ” に追跡されていた。それなのに、エリア51の目の前で、ひとり監視カメラに向かってボケている私のことは完全スルー。完全無視。カンムシだった。

1時間ほどネバりにネバったが、ネバりにネバったネバダ州だが、結局、誰も来なかったので、私はネバダ州をあとにした。一応、UFOファンなら必ず撮っておきたい撮影ポイント『Extraterrestrial Highway(エクステーターレストリアル・ハイウェイ)』の看板前で、パチリと自撮り記念撮影はしておいた。

しかしその後、ユタ州に向けてルート375を爆走していると、とんでもなく怪しい建物がヌボっと現れ、私の心は再びヒートアップ! 宇宙人の巨大オブジェがそびえ立っており、看板を見ると『Alien Research Center(エイリアンリサーチセンター)』と書いてある。「こ、ここには……きっと、何かある!」と中に入ってみると……!!

単なる “おみやげ屋さん” だった。エリア51関係のグッズのほかには、なぜかポケモングッズも充実しており、さらには日本がほこる遺産的アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のTシャツも、実にさり気なく置かれていた。碇シンジ君のTシャツだ。

ネバダ州の最後の最後に出会ったのは、エヴァンゲリオンのTシャツだった。ネバダの最後にエヴァのシャツ。私は車内で「シー・ユー・アゲイン、エヴァダ州……」というダジャレをつぶやきながら、ネバダ州を後にしたのである。<完>

Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

▼本編動画『GO羽鳥のエリア51』

[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]

モバイルバージョンを終了