デパートの地下にある食料品売り場、通称「デパ地下」。様々な総菜や各地の名品が集まり、何気なく入っているイートインが、実は有名店の店舗なんてことも珍しくない。まさに夢のような空間だ。
そんな夢あふれるデパ地下にあって、完全にデパ地下の域をぶっちぎっている寿司屋がある。そこは、まるで老舗高級店で食べているのかと錯覚するほど絶品の寿司を堪能できる店なのだ。場所は西武池袋地下1階、その名も『九段下 寿司政 旬八海』である。
・本店は1861年創業の『九段下 寿司政』
「老舗高級店で食べているのかと錯覚するほど絶品」と書いたが、それもそのはず。実は、今回ご紹介するのは、1861年(文久元年)創業の『九段下 寿司政』を本店に持つ店なのだ。老舗も老舗である。その伝統の味を、なんとデパ地下のイートインで気軽に味わえるとは嬉しい限りだ。
・「店長おまかせ握り」3000円
今回、私(記者)が注文したのは、3000円の「店長おまかせ握り」。握りは全部で8貫あり、最後の1貫は好みのネタを選べる。そこに味噌汁と、カクテルグラスにネギトロやメカブなどが入った一品が付いてきた。
「おまかせ」だから、もちろん何が出てくるのかわからないドキドキ感がある。しかも、デパ地下だけど老舗の店。いやが上にも期待は膨らむ。
・いきなりの中トロ
ドキドキする私のところへ最初に出されたのは……中トロ! いきなりの中トロ、キタッ! しかも、のっけから美味い!!
シャリは絶妙な加減で握られており、とろけるような中トロと完璧なマッチング。1貫目で、すでに食料品売り場の横で食べていることを忘れてしまうほどの美味さだ。これは、デパ地下レベルではないだろう。ぶっちぎっている。
・絶品の8貫
その後は、エンガワ・車海老・穴子・イクラ・玉子・芽ネギと続き、最後の選べる1貫は好物のつぶ貝をお願いした。毎回毎回、こちらの食べるペースに合わせて1貫ずつ丁寧に握られた寿司はどれも絶品。ここまで来ると、もはやデパ地下の賑やかな音など、私の耳にはまったく入ってこなくなっていた。
・衝撃の玉子
なかでも、大きな衝撃だったのは玉子だ。ほんのりとした甘みの薄焼き玉子がなんとも上品な握りに仕上がっている。「おまかせとは言え、玉子をいれてくるのはチョット……」と思う人もいるかもしれないが、一度食べればきっと納得していただけるだろう。おまかせで出てくるのを期待するよりも、むしろ「おこのみ」で自ら注文したいレベルなのである。
・気軽に味わえる老舗の味
美味しい寿司屋はいろいろある。だが、カウンターで1貫1貫握ってもらえて、味も素晴らしいのに、こんなにも気軽に立ち寄れる寿司屋はそう簡単に巡り合えるものではない。これこそが、九段下 寿司政 旬八海が、デパ地下にあるのにデパ地下の域をぶっちぎっている所以なのだ。
・選べる最後の1貫は慎重に
デパ地下でこんなにも美味しい寿司が食べられるとは……そう思いながら席を立った私は、ふと板前さんの向こう側に「うに 1000円」の文字を目にした。あまりの美味さに、食べている間は気付かなかったが、大好物だからと言う理由だけで深く考えずに注文した最後のつぶ貝は500円。
味はすべて文句なしの美味しさだったが、最後の1貫は「うに にしておけばヨカッタ……」と、貧乏性な私は自らの安易な行動を悔やみつつ店を後にした。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 九段下 寿司政 旬八海
住所 東京都豊島区南池袋1-28-1 西武池袋本店 B1階
時間 月~土 10:00~21:00(L.O.20:30)、日・祝日 10:00~20:00(L.O.19:30)
休日 西武池袋本店に準ずる
Report: むねやけサンデー
Photo: RocketNews24.
▼のっけから中トロ
▼エンガワ
▼車海老
▼穴子
▼イクラ
▼玉子、コレが絶品。シャリは見えないけどもちろんあるぞ!
▼芽ネギ
▼つぶ貝
▼お椀
▼もう一品!